悪魔も喘ぐ夜
*
「…待ちましたか?」
「兄貴が待ってろってメールしてきたんだ
ろ?」
生徒会室前の廊下で待ちくたびれて廊下
の隅に座り込んでうとうとしていたら肩に
兄貴の手が触れて目覚めた。
寝起きの目で咎めるように視線をやると
俺の前で膝をついている兄貴がニッコリ笑
ってキスしてきた。
「バッ…!ここ学校っ…!」
一気に思考が復活して手の甲でゴシゴシ
と唇を拭う。
「心配しなくても役員は全員帰しました
よ」
「そういう問題じゃないっ!」
いくらここが特別棟の最上階の隅だから
って。
万が一人に見られたらどうするんだと睨
む。
「見られても僕は構わないんですけど
ねぇ…」
「俺は構うの!」
生徒会長が風紀の見本としてあるまじき
言動をするからキツく言い咎めておく。
このくらいしないと兄貴は聞かない。
いや、これでも聞いた例はないけど…。
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