悪魔も喘ぐ夜
*
「そんなんじゃないって…」
「じゃあ予行演習!
今週あたしとカラオケ行きなさい!
決定!」
用事も聞かずに決定された。
この傍若無人っぷりはどこからくるんだ
ろう。
まぁ、いいや。別に用事もないし。
清水に下心があるわけでもないし…。
そりゃ可愛いとは思うけど…。
ただ遊びのお誘いだと思えば別に断る理
由もない。
「いいよ、別に。
じゃあ駅前に11時集合な?」
「ち、遅刻なんかしたら許さないんだから
ねっ!」
「わかってるって…」
苦笑いを浮かべて自分のクラスへ戻っ
た。
「…凛ちゃん、桐生君とカラオケ行きたか
ったの?」
「そ、そんなんじゃないって!
あたしはただ、あのムッツリが蓮に何か
しないかって心配なだけで…ッ!」
「でも…顔赤いよ?」
「っっっ!!!」
俺がいなくなった後でそんな会話が二人
の間にあったなんて俺が知ることはなかっ
た。
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