悪魔も喘ぐ夜 * 「蓮ーっ!ムッツリが用事だって!」 「バッ!?」 こともあろうか、出入口から窓際までの 距離をクラス中に響く声で呼び出しをかけ る。 そのよく伸びる声が響くとクラス中の視 線が一気に体に刺さった。 「牧村っ!お前もうちょっと考えろよっ」 「鼻の下伸ばしてデレデレしてるアンタが 悪いのっ!スケベ!変態っ!」 これ以上視線を集めたくなくて小声で抗 議する俺に大声で言い返してくれた牧村は 腕組みしてプイと横を向いた。 それにしても酷い言われようだ。 そこまで憎まれることをした覚えは、 ない。 「…黙ってれば可愛いのに…。 お前、もうちょっと大人しくしないと 誰も近寄らなくなるぞ…」 思わずボソッと呟いたら無言で足を踏み つけられて悶絶することになった。 [*前][次#] |