悪魔も喘ぐ夜 * 購買のパンくらいで大げさな…。 乃木が一度昼食を忘れたことがあって、 購買のパンを奢ってやった次の日からこん な朝が毎日続いている。 でもちゃんと弁当を持ってきていよう が、クラスメートの弁当を少しずつ分けて もらう胃袋に限界はあるのかとも思う。 「おーい。もうチャイム鳴るぞー! お前ら席につけー!」 担任教師が教室に入ってきて声を張り上 げる。 その明るい茶髪を教頭にチクチク言われ ているというが、プライベートと仕事はキ ッチリ分ける主義でとっつきやすいと生徒 にも人気がある桜内先生はなんだかんだで 自分のスタイルを貫いている。 「乃木も、いつまでもひっついてないで席 につけ」 「いてっ!暴力はんたーい!」 名簿の角で頭をコツンとやられた亮太が 不服だと声をあげる。 しかし… 亮太、お前が言うな…。 こうしてGW明けの授業は開始された。 [*前][次#] |