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悪魔も喘ぐ夜
*


 GW明けの教室は休み中の話題で盛り上

がるクラスメートで華やいでいた。


「おはよう、加我。GWどうだった?」


 教室につくと前の席の加我に声をかけ

た。


 加我は椅子に座ったまま体の向きを変え

てこちらを振り返ってくる。


「おはよう。別に何も…。

 妹が煩かったくらい…?」


 真面目な顔をして首を傾げる加我に思わ

ず笑ってしまった。

 GW中に兄弟に振り回されたのは俺だけ

じゃなかったらしい。


「へぇー。加我って妹いるんだ?」

「あぁ」

「でも賑やかなタイプってちょっと想像で

きないかも」


 そんな会話をしていると、横を人影が通

った。


「あ…おはよう、高瀬」


 プリントを持っている人影が振り返っ

た。

 GW明け早々、もう学級委員長としてク

ラスの雑用をしているらしい。


「おはよう、桐生と……加我、だったか

 な?」

「あぁ、おはよう。何か手伝おうか?」

「ありがとう。でもこのプリントを教卓の

 上に置くだけだから大丈夫」


 爽やかな笑顔を残して片手を振って教壇

へその背中が向かう。

 入学式の日、その爽やかさから担任教師

に学級委員長に指名された秀才。

 教師に指名されても淀みなく答えるの

に、それを鼻にかけることもなく、すでに

クラスの女子の人気を攫っている。

 今も教壇の傍でキャアキャア言う女子に

囲まれていた。





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あきゅろす。
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