悪魔も喘ぐ夜
*
「お兄ちゃん、大好き」
麗の顔が近くまで寄ってきたと思ったら
ニッコリと微笑んで唇を重ねてきた。
しかし触れる唇より体内で動く指先の方
が気になる。
「麗、指…」
そう言うのに、首筋に唇を移動した麗は
吐息をかけながらそこへのキスを繰り返し
て返事をしない。
「ねぇ…ダメ…?」
キスの合間にやや上気した吐息を首筋に
かけながら甘えた声が響く。
くちゅくちゅと後口をその指先が弄って
いるのでなければ、甘やかしてやりたいと
思うような…そんな声。
「今は、ダメだって…。
俺も昨日…無理したから…」
これ以上揺さぶられたら腰が壊れてしま
う。
体内に指を入れている方の手首を掴んで
牽制を試みる。
いつもの麗なら、俺がダメだと言えば無
理強いはしないはず。
「じゃあ…1回だけ…。ね?」
「………」
これで譲歩しているつもりなんだろうか
ら、言葉を失う。
なんと言えばいいのか、どう言えば麗が
諦めるのか考え込んで沈黙する。
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