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悪魔も喘ぐ夜
*


 腰の気怠さはもう上限なのに、精神的な

ダメージは上限を知らない。


 当の本人は最後まで丁寧に舐めてようや

く顔を上げた。


「…兄さんひどいや。

 本当に全部飲んでっちゃうなんて…。

 ぼくだってお兄ちゃんの飲むの大好きな

 のに…」


 不満げにブツブツ言ってるけど、俺には

聞こえない。

 なんにも聞こえない。


「麗…もう十分だろ…。

 指抜いて」


「うーん…」


 くちゅくちゅくちゅ…


 麗は何かを考えあぐねているようで、指

遊びでもするように力の入らないそこを指

で弄り続けている。


「麗、聞こえてるだろ?

 指を抜けったら」


 これ以上何をしようというのか。

 このまま放置してもいいことにはならな

いのは火を見るより明らかだ。





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