[携帯モード] [URL送信]

悪魔も喘ぐ夜
*


「兄さんはするって言ったら、きっと実行

 するよ。そういう人だから。

 でも、お兄ちゃん嫌でしょう?」


 動けない俺の頬に麗の指先が触れた。

 頬から滑るように指先を動かして唇に触

れた。


「だからね、ぼくが守ってあげる。

 兄さんからお兄ちゃんを守ってあげる

 よ」


 麗が身をかがめて唇を近づけてきた。

 その唇に手をあててストップをかける。


「麗、どこでそれを…。

 どこまで知ってるんだ?」

「ふふっ。秘密だよ。

 でも、きっとお兄ちゃんよりは兄さんの

 ことを知ってる」


 麗は子供のように笑った。

 昔、お菓子の隠し場所を探し当てた時の

ように無邪気に。





[*前][次#]

あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!