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悪魔も喘ぐ夜
*


「お兄ちゃん、本当に今まで気づかなかっ

 たの?

 でも…しょうがないよね。

 ぼくもお兄ちゃんの傍に居たくて、触れ

 ていたくて必死だったから」


 目の前でクスクスと笑う姿は、中学校に

上がったばかりの少年とはとても思えな

い。


「これが本当の…素のぼくだよ。

 “可愛い弟”じゃなくて、がっかりしち

 ゃった?」


 今までの麗も歳相応かと問われれば答え

はNOだろう。

 でもこれは…。


 まるで…今まで騙されてたみたいだ…。


「お兄ちゃん、兄さんは本気なんだよ。

 だからね、ぼくももうのんびりはしてい

 られないんだ。

 “いい子”のままでいたって、いずれ兄

 さんはお兄ちゃんを壊してでも手に入れ

 ようとしてくると思う」


 “快楽を引きずり出して泣かせ、求めら

れるまま快楽を与え続ければいい。

 その頭が考えることをやめ、僕の言いな

りになるまで突き上げて…駆を壊してしま

えば、きっとその目にはもう僕しか映らな

くなる” 


 昨夜、兄貴に言われたゾッとする言葉。

 それを、何故麗が知っている…?





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