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悪魔も喘ぐ夜
*


「駆?もう忘れたんですか?

 僕はちゃんと言いましたよ。

 僕が賭けに勝ったら、駆は僕が望む時に

 体を開くこと、と」

「い…言ったけど…。

 でも飼い主とかそんなこと言ってなかっ

 た!」


 条件を再確認させられて少しビビるが、

流されてはいけないとわざと大きめの声を

出す。


「ふぅ…。解ってないですね…。

 “僕が望む時”が夜、自室でだけなんて

 限らないんですよ?

 それは浴室かもしれないし、野外かもし

 れないし、誰かの見ている前かもしれな

 い」

「っ!?」


 鼻歌でも歌い出しそうな機嫌のいい兄貴

とは対照的に一気に血の気が引いていく。



「まっ…まさか…。

 そ、そんなの無理に決まってんじゃん!

 優等生の兄貴がそんなことするわけない

 し!

 そもそもそんなの誰かに見られるなん

 て…!」


 脅かそうとしたってそうはいくか!


 …と、思ったのに。

 兄貴が顔色を変えない。


 あ、あれ…?

 なんで?

 まさか、本気……!?


「…麗には一度思い知らせなければいけな

 いでしょうね。

 思い上がって、のぼせているようですか

 ら」

「っ!! そんなことさせるかっ!」


 羞恥だけではない怒りが込み上げてき

た。

 兄貴はどうしてこうも麗を傷めつけた

がるのか。

 …こんなに酷いことを麗にしようなん

て言う人間じゃなかったはずなのに…。





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