悪魔も喘ぐ夜
*
「兄貴っ、やっぱこんなの…あッ、くッ、
やぁッ!」
兄貴の指先は容赦してくれない。
そこ一点だけに断続的な刺激を与え続
け、俺は一瞬でも根元をしめる指を離して
しまえば達してしまう快楽に根元を締めつ
けたままガクガクと腰を揺らしてイクこと
もできずに悶えるしかない。
快楽が受け止められる上限を超えて開き
切った目や口の端から涙や唾液となって零
れ落ちる。
全てを呑み込む快楽に思考さえ押し流さ
れて、自分がどうしたいのかもよくわから
なくなっていく。
「今更なんですか?
賭けにのったのは駆でしょう?
僕は駆の出した条件を呑みましたよ。
駆がその手を離さない限り、ペナルティ
の時間が伸び続けるだけです。
その手を離すか、負けを認めて降伏する
か…決めさない」
選択でない選択を突き付けられる。
もうすでに勝負はついたのだと兄貴は俺
に知らしめる。
[*前][次#]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!