悪魔も喘ぐ夜
*
「声を出してもいいんですよ、駆?」
膝で股間を擦りながら意地の悪い声が降
ってくる。
俺は唇の端を噛んで首を大きく横に振っ
た。
荒くなっていく呼吸は隠せなくても、せ
めて感じていると知らしめてしまう声は堪
えたい。
…膝なんて気持ちよくないっ。
膝なんて…
抗いたいのに兄貴の力加減も膝の動かし
方も絶妙で、俺のなけなしのプライドさえ
も踏みにじって下半身の熱量は猛ってい
く。
膝でなんて屈辱的で感じたくなどないの
に、体はあっさりと理性を裏切った。
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