[携帯モード] [URL送信]

悪魔も喘ぐ夜
*


「声を出してもいいんですよ、駆?」


 膝で股間を擦りながら意地の悪い声が降

ってくる。

 俺は唇の端を噛んで首を大きく横に振っ

た。

 荒くなっていく呼吸は隠せなくても、せ

めて感じていると知らしめてしまう声は堪

えたい。


 …膝なんて気持ちよくないっ。

 膝なんて…


 抗いたいのに兄貴の力加減も膝の動かし

方も絶妙で、俺のなけなしのプライドさえ

も踏みにじって下半身の熱量は猛ってい

く。

 膝でなんて屈辱的で感じたくなどないの

に、体はあっさりと理性を裏切った。





[*前][次#]

あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!