6 リズは、また食糧探しを始めた。 正直、食糧はちゃんとある。 だから、見付からなくても平気だけど、リズは気晴らしに、よく森へと探しに来る。 私が小さい頃よりも、弾圧は酷くなっている。 リズにとって、こうゆう時間は、気持ちを整理するためにも大切なのかもしれない。 「ねぇ、エルシー」 「何?」 「エルシーは、ジンが好きなのー?」 リズはさっきと違い、ニヤニヤとしていた。 「ジンは、私の大事な友達だよ」 私はそう言って笑った。 「どうして?」 「ジンに聞いて来いって言われたー」 「やっぱりね」 ジンは21歳で、最近成人した。 3年前、ジンとジンの師匠が、私達の"群れ"に加わった。 [*前へ][次へ#] |