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赤茶色の髪を後ろで、1本の髪の毛も出ないように、キッチリと1つで縛ってある頭に、いつも見てきた広い背中。
「師匠」
「エルシーか」
「はい。私、リズと食糧探しに行ってきます」
師匠の赤茶色の瞳が、チラッと空をみた。
「近くに"定住の民"の地は無いな……今日は野営だ。場所は少し移動するが……移動場所は、決まったら連絡する」
「はい」
そう言ってから、師匠は、指輪をはめている右手の人差し指を、右のこめかみに押し当てた。
指輪が、青い光を放ち始める。
今、私達の"群れ"の成人と連絡をとっているんだろう。
私は、リズの元へと向かった。
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