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後半は、ほぼ毎回言う言葉。
ただ、前半はいつもとは少し違う。

「エルシーの住む家は、月の昇る家だ。
学びたい者はそこへ行くが良い」

そう言うと、初老の男性は台を下り、私に手招きした。
初老の男性に近づくために台を下りると、集まっていた定住の民は散らばった。


「ようこそ我が村へ、エルシー」
「お世話になります」
「私は、この村の長だ。この村では、長になると名前が無くなるんでね……長と呼んでくれ。今から君の住む『月の昇る家』へ案内するよ」
「よろしくお願いします」

歩き出した長の背中についていく。
ふと、師匠の顔が浮かぶ……。
師匠……こんな弟子でごめんなさい――。

歩いていた長が立ち止まり、聞き覚えのある声で我に返った。



「長っ!!俺たちも一緒に行きます!!」
「お前達か。良いぞ。歳も同じぐらいだろうしな」

顔を上げると、そこには声主のユラの他に4人いた。
確かに、ユラを含めた4人は、私と同じっくらいの年齢にみえた。
でも、1人だけ、ちょっと大人びて見える。

「エ…エルシー、これが俺の友達なんだ」

知らない4人はお辞儀をした。
私もお辞儀を返す。



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あきゅろす。
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