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今、私は"ヒロバ"と呼ばれる場所にいる。

そして目の前には、沢山の定住の民。
定住の民といえど、一つの村にこんな大人数で住んでいるのは、初めて見た。

朝、部屋を出る時に、魔術も仲間も棄てた。
今日から私は、文化の民のはぐれ者……。

「エ…エルシー、こっち」

人混みの中、ユラが私の手をひいて、ちょっとした台の上に立たせる。
私が皆を見下ろす形になった。

ざわついていた"ヒロバ"が静まった。
定住の民の視線が、一気に私に集まったのが分かる。

「皆の衆!こちらが、噂にきいとるだろう文化の民の娘だ!」

初老の男性が、私の立つ台に上がり、声を張り上げて言った。

「お嬢さん、大きな声で皆に挨拶を」

その初老の男性が私にボソッと言う。

「はい……。私の名前は、エルシーです。
文化の民ですが、はぐれてしまい……そこをユラさんに助けて頂きました。
この村の掟や文化を、まだ全く知らないので気に触ることがあったらすみません。慣れるように頑張りますので、どうかよろしくお願いします」



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あきゅろす。
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