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そういえば、ジンも……。
リズに変な事聞かせて――。
リズを使わないで、直接、私に聞けって話だよ。
それを言いたかったのにな――。


――トントン


またノックの音がして、私は我に返った。
食事は、あまり進んでいなかった。

「は……はい」
「あの……俺……」

伏し目がちに、あの時、私を運んだ男が部屋に入って来た。

「あっ、……ありがとうございました」

私は、作り笑いをした。

「いや……怖がらせて……本当にごめんなさい」
「なんで謝るの?」
「仲間と……はぐれさせちまって……」

私は、なんと返したら良いか分からず、黙って考えた。

「俺……本当に申し訳なくて……えっと……だから――探そうと思うんだ……」

――えっ!!
探しちゃ駄目!!
結界のせいで、呪われた民ってバレるよ――!!

「探さなくて、大丈夫ですよ。新しい仲間に出会えましたから。ローザさんに、今日から仲間って言われました」

咄嗟にこの言葉が出て来て、私は微笑んでおいた。


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あきゅろす。
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