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「お母さん……ってローザさん?」
「そうよ。じゃあ失礼するわ」
――やっぱり機嫌悪そう。
名前も聞けなかったし。
ローザさんにお礼を伝えて欲しかったのにな。
私は、湯気が立ち上る、黄色いスープに手を伸ばした。
――あったかい。
さっきは、心臓が冷えた気がしていたけど、このスープは、少し暖めてくれた。
また涙が出そう。
リズ……自分を責めてないかなぁ?
危険じゃない人だったんだから……私が連絡すれば良かったのにね。
私……捕まったらって、焦りすぎてたよ。
ごめんね、リズ。
師匠も心配してるだろうな……杖落としたの、多分気付いてるよね。
ここまで色々教えてもらったのに……杖が無きゃ役に立てないや。
杖が無ければ、私は、本当に文化の民――。
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