6
――トントン
扉をノックする音。
きっと、ローザさんが食事を持ってきてくれたんだ……。
私は涙をゴシゴシ拭ってから、返事をした。
「はい」
ちょっと声が、震えてるな……。
「夕飯持ってきたわ」
ローザさんでは無いけど、聞いた事がある声がした。
――ローザさんの声に似ているせいかな?
「ありがとうございます……」
入ってきたのは、ローザさん程じゃないけど、少しぽっちゃり気味の女の人だった。
でも、どことなくローザさんに似ている。
「母さんが、今日はしっかり食べてゆっくり休んでって言ってたわ」
「ありがとうございます」
その女の人の口調は、少し機嫌が悪そうだった。
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