5
「大丈夫です――。私をこの村に、住まわせて頂ければ――。」
涙が止まらない。
私の仲間は、呪われた民。
見つかっても、結界を飛び越えようにも、飛び越えられない――。
そしたら――皆が危ない……。
「もちろんさ。あんたみたいな美人さん、文化の民じゃなくても大歓迎さ」
そう言って、私の頭をポンポンっと撫でた。
「――ありがとうございますっ」
私は、声のふるえを押さえる為に、唇を噛んだ。
「この村の人間は、良い奴らばっかだから……今日から、あんたは仲間だよ」
そう言って私の肩を掴み、顔を覗き込んだ。
私のぼやけた視界に、ローザの笑顔が見えた気がした。
「お腹が空いたでしょう!!今、食事を持ってくるからね」
そう言って、ローザさんは部屋を出て行った。
ローザさんが来る前に、涙を止めよう――。
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