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「あの……俺、呪われた民とかじゃないから……怖がらないで……」


――呪われた民だとしても、怖がるわけないじゃん。むしろ、呪われた民じゃないから怖いの!!


もう、手をのばせば私に届く。


なのに私は、杖を落としたせいで、その場から動けない。

後ろに下がったら、男が杖を見付けるかもしれない。

かと言って、私のこの状況で前に出たらおかしすぎる!!


よしっ、しゃがみ込もう!!
うまくいけば、杖を拾える!!



私は、ふらついた風にしゃがみ込んだ――


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