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空中に描いたシルシに触れると、後ろにいる人物が頭に浮かんでくる。
――後ろにいるのは1人。男。何か大きな物を持ってる……水桶?
えっ?
なんで水桶?
師匠は、近くに"定住の民"の地は無いって言ったのに!?
師匠が分からなかった!?
――そんなはずない!!
なら、さっきの村から追いかけてきた!?
だとしたら――!
「リズ」
リズは不思議そうな顔をして、マントから私を見上げた。
「師匠呼んでくれる?」
小さな声で話しかけた。
「え、リズ、エルシーの師匠とは連絡出来ないよ?」
「リズの師匠で大丈夫だよ」
不安そうな顔に、笑いかけた。
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