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呟き
罪償い
罪償い・・・
罪償い・・・

僕は考える
罪償いを。
どうすれば、彼女に犯した罪を償えるだろうか・と。

「・・・」
いっそ、死んでしまおうか?
死んだら、罪償いになるんじゃ・・・。

そう思い、今川に飛び込むところまで来ていた。
あと、一歩も踏み出せば川に落ち、完全に死ねる。

風が冷たい。
肌にすごく痛い。

「・・・。」

それでも、僕は立っている。
落ちるか、落ちないか、死ぬか、死なないかの境にいる。

「・・もう、決めた・・・!」

と、僕は死の道しるべに足を運ぼうとしたその時だった。

『なに、してるの?』

「えっ・・・」

いきなり、僕の後ろで女の人の声がした。
そこには、死んだはずの彼女がいた。

否、僕が殺したはずの彼女が。

「ど・・・どうして・・・ここに。」

『・・・死んであなたの罪は償えない。』

「・・・。」

『だけど、あなたが生きて私ができなかったことをしてくれれば、罪償いができるわ。
・・・けど、死ぬって決めたんだから・・・・
   けじめつけて、ね?』

「えっ・・・」

次の瞬間、僕は彼女に押され、川の中の奥の闇へと消えて逝った・・・。

『・・・・。結局、罪は償えなかったわね。』

彼女は、悲しそうにつぶやき、風とともにあとかたもなく、消えた。


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あきゅろす。
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