青春の定義 返事 「ユウ、お前が好きだ。……ずっと、昔から」 グレイの整った顔が、おれを見つめる それだけで、どうにかなりそうだった 覚悟してたけど、こんなに、ドキドキするもんなんだ……!! 「……ユウ?」 返事なくただ俯くおれに、グレイが心配そうな表情をみせる 「あ、は、あい、あの、そのですね……」 お、おれも男だ!おちつけ、落ち着くんだ、速水優斗! おれは大きく深呼吸して、そしてもう一度口を開いた 「あの、ね。……ごめんなさい」 「……」 ちらりとグレイを見ると、とても辛そうな、切ない顔をしていた おれは慌てて両手をブンブン振り出す 「ちがっ、なんていうか!あの、勘違いしないでほしいんだけどさ!!」 「おれはお前のこと、友達として好きなんだよ!それに、おれ、男から告白されんの初めてだから、よく、わかんないし……」 ただ、正直、グレイからの告白されても、おれはそれほど違和感を覚えなかった 男同士の告白も、男女のそれと変わんないじゃんって、すんなり受け入れてる自分もいて…… 「おれ、もう少し時間が必要だと思う。……なにより、グレイがおれをそこまで好きでいてくれる理由も、よくわかってないんだ」 ずっと昔からって言ってくれたけど、おれには心当たりがない ごめん、と謝ると、グレイはゆっくりと首を振った 「……いい、なんとなくわかってた」 ……って言いながら、なんでそんな寂しそうな顔するんだよ 「あのさ、教えてくれない?」 「?」 「お前がおれをそんなに好きになってくれた理由。おれとグレイが、初めてあった日のこと」 正直、なにも覚えていないけど もしも、幼い頃とかに会っていたなら、それは…… その記憶はすでに一度、失われてしまったものなのかもしれないから。 [*前へ][次へ#] |