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青春の定義
友達
「なんでだ……っ!!」

意を決して登校した月曜日


絶賛、グレイに避けられ中。


昼休みこそは、と意気込んだら彼の姿はもうない。

慶と翔は部活のミーティングでいない。


「おい、速水」


あ、彼女持ちの森田くん

森田はおれに、ここ座れと促して、弁当を広げ始めた

「お前今日、一日そわそわしてたよなー?」

「はぁ!?そんなことあるわけないだろ!」

なるべくいつもどおりって、決めてるんだからな!

いつもどおりなんだから!

「……そーかよ」

あ、これは森田特有の、こいつなにか隠してるな、って思ってるときの顔だ

「まー、別にいいけど。俺にはかんけーないことだろうし」


そうだよ、関係ないよ!


「……、告られた?」

「ぶっ!!」

おれは思い切りパックの牛乳を吹き出す

「きったねぇっっっ!!?」

うわ、さすがにそこまでドン引きされると傷つくわぁ……

「てか、図星かよ」

俺スゲー、と人ごとのように森田は呟いた

「お前って、たまにほんとすごいよな」

「お褒めに預かり光栄だね。それで?相手は園田とか?」

「は?なんで翔なんだよ??」

「……あ?」

森田は、うっそだろ、とまたまたドン引いた顔をした

「んじゃ、豪来院?」

「その二人は親友!!」

「……。」

だ、だからなんだ、その顔は!!!

「んじゃー……、あ、ハーフくんとか?最近仲いいもんな」

おれは黙った

それが答えと受け取ったらしい森田は、ヒューと口笛を吹いた

「すげぇな。あんなイケメン捕まえたんだ」

「その言い方やめろ」

「んで?」

「はい?」

「付き合ってんの?」

「んなわけないじゃん。それをはっきりさせるために今日グレイに話かけるタイミングを伺ってたんだよ」

なのに避けられるし……

「……なに、振る気?」

「……振るっていうか、気持ちを確かめたいだけ。おれは男だし、あっちだって男だ。なにかの気の迷いかもしれないし」

はっきりしないのは嫌だ


「ふーん、なぁ、速水」

森田が急に真顔になっていう

「お前、確かめて、もし帰ってきた返事がすげー本気の告白だったら、どうするわけ?」

「……」

おれは言葉を失った


すげー、本気の、告白???


どういう意味だろうか?

「お前さ、どこかで、きっと間違いだったに違いないって決めつけてるだろ」

本気の告白受ける覚悟もないのに、確かめて平気かよ?と続く言葉に、おれは目を丸めた

「……えっと」

どうしよう

たしかに、もしも、本気であいつがおれを好きだったとしたら……?

ライクじゃなくて、ラブの方だとしたら?

「まぁ、悩め悩め。それも青春だしなー」

そういって、森田はおれの頭をペチンッと叩いて立ち上がった

「……形は違うけど、俺も悩んだから」

「お前も、悩んだって?」

「ああ、俺も悩んだ。すげー、悩んだ」

「も、もしかして、森田もそういう……」

「いや、俺はノンケだから。男ムリ」

じゃあ何で悩んだってんだ……っ!!

「でもまぁ、一般的な恋愛とは違うってとこは同じだし、相談ならいつでものっからよ」

そういってもう一度森田はおれの頭をくしゃくしゃと撫でた

初めて、森田が頼もしく見えた瞬間だった

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