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青春の定義
助けを求めて ユキSide
私は必死に走っていた

男に捉えられ、襲われそうだった私を救ってくれたあの男の子

急いで、助けてあげないと……っ!!

でも、誰に声をかければいい?

そこで買い物をしているおばちゃん?

犬を連れているお姉さん?

追いかけっこをしている男の子たち

だめ、全然

もっと、強そうな人

警察でいいのに、どうして肝心なときにいなんだろ……っ!!

ぐるりとあたりを見回すと、ふと大きな校門に気づく

白蓮男子高等学校

蓮水女子と対をなすお坊ちゃん校

あの子はここの制服を着ていた、ような気がする

「っ!だれか、いませんか!?」

私は門につかみかかった

身振りを気にしていられない

誰でもいい、誰でも

私じゃ、ダメなんだ……っ!

「お、おい、君!関係者立ち入り禁止だぞ!」

門の警備員らしいおじさんが出てくる

「それどころじゃないんです!男の子が、私を庇って……!この高校の子だと思います!!」

「な、何を言っているんだ?落ち着いて……」





「おい」




静かな声が、聞こえた


「誰が、お前をかばったって?」

綺麗な顔立ちの、青年

その表情は読めないけれど、かなり不安そうな雰囲気が漂っていた

「襲われそうになった私を、茶髪の男の子がたすけてくれたんだ!急いで、あの子が危ない!」

「っ、今行く」

警備員さんの静止を振り切り、彼は鍵を奪うと、門を開けた

「すぐに戻ってきますから、鍵、借ります」

それだけ伝えて彼は私を見た

「場所はどこだ?」

私はあの裏路地を指さした

彼は無言で走り去っていく



ああ、よかった

これであの子は平気だ


彼の背中を見たとき、なぜか自然とそう思った

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