青春の定義
あの日の約束 グレイSide
……ユウ、速いな
運動とか、あまりしないイメージだったから、意外だった
視線を手紙に戻す
「……面倒くさ」
男からのラブレター
別に、初めてじゃないし、これといって気持ち悪いとか思わない
俺の母国は世界で一番初めに同性愛が認められた国でもあるし、
俺は、女も男も、一通り経験してる
でもそれは、ユウに出会うまでって決めていた
『お前だって、告白して何の反応もなかったらいやだろ?』
……いやだ
もし、お前に告白して、お前が避けるようになったら、なんの反応もしてこなくなったら、嫌だ
「……せめて」
お前が、思い出してくれたのなら
俺はそれだけで満足なのに
俺だけが、ずっと片思いしてる
ずっとずっと昔にした約束
『……もし、また、もどってきたら、おれをすきになってくれますか?』
『?、いまもすきだよ?』
『でも、わすれちゃう、かも……』
『わすれちゃったら、またすきになればいいんだもん!だいじょーぶ!』
---やくそくだよ!
---また、すきになるから
---だから、わすれてたら、おしえてね!
「……教えられるわけ、ないだろう」
教えてしまったら、今が壊れてしまう
俺は、俺たちは、想いを伝えるには大人になりすぎた
それに、あの頃から変わってない
俺の好きと、あいつの好きの意味は、変わらない
俺は息をついて、手紙をみた
「……行くか」
俺にはあいつだけだって、さっさと伝えて、ユウを追いかけよう
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