[携帯モード] [URL送信]

青春の定義
不穏なニュース
次の日の朝

おれはいつもどおり、待ち合わせ場所に行った

今日は2人とも朝練ないはずだし

「おー、優斗!おはよう」

「おはよう」

「おはよう、ゆう」

翔とばっちり目が合う

おれはいつもどおりおはよう、と返した

なんだ、翔もいつもどおりだし、やっぱり気のせいだったんだ

「そういやさぁ、知ってるか?ある噂」

「噂?」

慶が真面目な顔をして、頷いた

「なんかさ、ここいら一帯で女が狙われる事件が続いてるんだってさ」

「女!?」

そ、それって……

「……レイプか」

翔が苦虫を潰したような顔をした

翔はこの手の話が大嫌いだ

「そーゆーことだな。敷地内なら安全だろうけど、外に出るときはよう注意ってな」

「でもそれ、男には関係ないよな?」

怖いけど、おれは女じゃないし……

「ばっか、お前、もし現場なんてみたら口封じに何されるかわかったもんじゃねぇぞ」

慶の言葉には厳しさがあった

極道の息子がいうだけあって、説得力が違う

「そ、そうだな……」

「慶、ゆうを脅すのやめろ」

「脅してねぇよ、別に。優斗には危機感もってもらいたいだけ」

危機感、たしかにおれって、抜けてるって言われることあるもんな

「この話はこれで終わりな。気持ち悪いし」

翔がパンッと手を叩く

慶も、そーだな、朝から辛気臭いし!といつもの明るい口調で言った

「って、そういや今日国語の感想文の宿題があったよな!?」

あ、これは……

「優斗……」

はぁ、とおれはため息をついた

「絶対「ダメだ」

翔、セリフ被せないで……

[次へ#]

1/17ページ


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!