青春の定義 もう一度 「って、そんなことはどうでもいいから!」 「え?俺たちの愛がどうでもいいって?」 「慶は黙ってて。」 はぁい、と拗ねた顔をする慶。 全く、二人を呼びにきてあげたのにその顔はなんだ! 「早く2人とも部活行く!レギュラーなんだろ?外されるぞ!」 「大丈夫だろ。オレうまいし」 にっと自慢げに笑う翔は、今朝のことが嘘みたいにいつも通りだ 「うまいのは知ってるよ。でも、練習でないのはダメだろ」 「お前は?」 急に真剣な声で、翔がおれの目を見て言った 「お前は野球、もう一度はじめようとか思わないのか?」 突然の話の流れに、おれは目をパチパチさせた 「……知ってるくせに」 それだけ言って、笑ってみせた 「って、ああ!もうこんな時間じゃん!おれ、今日の課題終わらせないと!」 きちんと部活行けよ!とダメ押しして、おれは急いで屋上のとびらに手をかけた 「また明日ね、二人とも!」 「またな、優斗」 「また明日」 バタンっととびらを閉める 「野球かぁ……」 [*前へ][次へ#] |