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青春の定義
怖い(二重の意味で)
HR前

「ゆーとー」

「どうしたの、慶」

「宿題写させてください……」

「はいはい」

いつもなら跳ね除けるけど、昨日の今日なら仕方ないと、おれは慶にノートを渡す

「また忘れたのか、慶?」

「翔は黙ってろー」

「お前なぁ「まぁまぁ、翔」

つっかかろうとする翔をなだめて、おれは小さな声で言った


「慶、家で色々あったんだって」


「……わかったよ」

その一言で察したらしい

翔も、慶の幼馴染だもんな!

「……てかさぁ、なんか外騒がしくねぇ?」

慶がノートを写しながらそんなことをいうから、おれたちも廊下のほうに耳を傾けてみた

すると

「ねぇ、グレイってそっちは興味ないわけ?」

「僕、下でもいいからさ」

「一回だけ、一回!」

……昼間から、なんていうか……


「人気者は大変だなぁ」

「朝からどういう会話してるんだ?あいつは」

あ、翔、また怖い顔

「会話っていうより、完全に騒ぎ立てられてるって感じだけどね」

なんて軽くフォローをいれると、翔がどっちも同じ、とそっけなく返してくる

……翔、そんなにグレイのこと嫌いなのかなぁ

ちらっとグレイを見ると、見事に目が合う


「ユウ」

周りの男子を押しのけ、グレイはいままでの無表情対応が嘘のように優しく笑った

「おはよう」

「あ、ああ。おはよう、グレイ」

おれも笑い返すけど、あなたのファンが正直怖い

そして、

「あ?」

後ろの翔がすごく怖い

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