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青春の定義
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昼休み

今朝の一件は見なかったことにするのか、みんなは美形転校生くんの元を訪れていた

おれたちはそれを遠目からチラとみて、すぐに弁当の準備を始めた

「屋上いこーぜ!今日天気良いし」

「そうだね。翔もいくでしょ?」

「……。ああ、もちろん」

考え事でもしてたのかな……

もちろん、と答える顔は、笑っていたけれど……

−−−−……



「んー!きっもちいー!!」

慶がぐーっと伸びをして空を仰ぐ

「慶、元気だなぁ。おれ、もうお腹ペコペコだよ」

「慶はそのまま放っておけって。ゆう、おいで」

「ひでぇ!俺も一緒に食う!」

談笑しながら食べるご飯は、一際美味しく感じる

「でな、理科の時間、小林がさぁ!」

「あははっ!うんうん、それで?」

ふと、途中から翔の声がしないことに気づく

「……翔?どうしたの?」

「ん?あ、ああ、なんでもないよ。ちょっとお腹減らなくて」

「まじ?んじゃ、いただきます」

ぱく、と翔のお弁当箱から卵焼きを奪い口にいれる慶

「だれもお前にやるとは言ってない」

「あいた!」

うわ、叩かれた……

「なんだ、元気じゃん」

「おかげさまで」

苦笑しながら翔は言った

「ねぇ、翔。今朝からどうしたんだ?あの、グレイくん?が関係あるの?」

おれの質問に、翔はんーと困った顔をした

「なんか、お前が抱きしめられたとき、嫌な感じがしたんだよ」

「でも、挨拶だって言ってたよ?」

「……が……」

「え?」

よく聞こえない

「あいつの目が、嫌だった」

意味が分からず、おれは首をかしげる

目……?

「優斗、この話は終わりな。それよりこれを見よ!!」

じゃーん!と効果音付きで慶がお弁当から出したのはめちゃくちゃ凝ってるタコさんウィンナー

「け、け、慶!なんでそのタコさんまん丸でしかも吸盤まで細かく彫られてんの!?」

「ふっふっふ……。俺んとこのじいやが作ってくれた力作さ!」

「すげぇ!!」

おぉー!と声を上げる

「……お前んちのじいや、本当に何もんだよ」

翔が、やっぱりすげぇな、といつもの笑顔で笑ってくれた

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