青春の定義 〆は先生で 「おい!何してるんだよ!?」 いつにも増して、声を荒上げながら翔がおれと外人さんを離してくれた 「ゆうが困ってるだろ。急になんだよ?」 「……ユウに挨拶しただけだろ。お前こそ、なに?」 あ、ああ。そっか。 挨拶か、そうだよ、相手は外人さんじゃないか 「挨拶……?」 納得できない、とばかりに翔が間に割って入る おれは本格的に焦ってきた 「2人とも、やめろよ。会ったばかりでケンカなんて……!」 どうしてこうなった!? 「はーい、ちょっと黙れや」 スパコーッン!といい音がなる 気がつくと翔の真後ろにいた慶が、スリッパで頭を叩いたらしい 「ってぇ!?ちょっと、何するんだよ!」 「優斗が困ってるだろ!それに、少し落ち着けよ、らしくない」 慶に落ち着けって言われるなんて……!! 「……」 我に帰ったのか、翔が一歩後ずさって、悪かったなと小さく呟くと、席に戻っていった 転校生くんも、教壇の方に戻っていく 教室がシンと静まり返った 「え、えー。では、……彼の名前はグレイ・ハルマサ・ライグール。オランダ人とのハーフらしい。みんな、仲良くするように!」 先生が後付けと言わんばかりに早口で言って、その場を片付けてしまう。 「ほら、授業が始まるから準備をしろよ!ちゃんと!!」 [*前へ][次へ#] |