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Cheeks goaf
6月11日
誕生日おめでとう。

こころから。

あなたがうまれてきたことに

感謝しよう。




ーーーーー
home sweet home
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TRRRRRRRRRRRRRRRRR!!
TRRRRRRRRRRRRRRRRRR!

6月11日深夜。

関俊彦は電話の鳴る音で目を覚ました。


「んんん・・・誰だよこんな時間にィ・・・」
眠気眼をさすって携帯を手にとると
着信画面は「速水奨」

「奨さん・・?」
なにか緊急の用事だろうか、と俊彦は電話にでた。
「もしもし?」
「あぁ、俊?寝起きかな」
「はぁ」
「こんな時間にごめんね。伝えたいことがあって」
「な、なにかあったんですか?」
「ん、いや、今日って・・・」

俊の誕生日じゃない。



言われて、しばらくぽかん、と口をひらいたまま静止してしまった。
6月11日・・・・そういえば、今日は僕の誕生日だ。

「おめでとう」
電話越しに奨さんの優しい声が響く。
「12時ぴったりに言いたくて。起こしちゃってごめんね」
「いや、あの、ありがとうございます」
「うん、じゃあ、近いうちにまた連絡するね」
「あ!はい!おやすみなさい!」
「うん。おやすみ、俊」

静かに電話を切り、しばらくぼうっとしていた。
僕なんかのためにこんな夜遅くに電話くれるだなんて。
(奨さんは優しい人だなぁ・・・。)

ほっこり、と胸があったかくなるのを感じつつ俊彦はまた横になった。

が、しかし。

TRRRRRRR!

「うううう・・・だ、だれ?」
ものの3分もしないうちにまた電話が鳴ったのだ。
俊彦はまた眠気眼で携帯を手に取り、電話にでた。

「モシモシ・・・・?」
「関ちゃん?誕生日おめでとう」
「あれ?その声・・和彦さん?!」
「そう。・・・あれ、なんか反応違うなぁ、もしかして誰か先に電話した?」
「あ〜さっき奨さんから電話もらって・・・」
「・・・なるほどね、どうりで電話つながらないわけだ」
「・・・?」
「いや、ともかくも誕生日おめでとう。今度お祝いするから日程あけといてね」
「えっちょ、和彦さん!」
「じゃぁ、夜分にごめんね、おやすみ」

「あれ、・・・切れちゃった。和彦さんも僕の誕生日覚えてたんだなぁーなんか意外・・・」
呟いて、俊彦はまた目をこすった。

誕生日を祝われるのは嫌いじゃないが、まさかこんな時間に電話がくるだなんておもってもいなかった。
俊彦はすっかり目がさめてしまい、リビングでミネラルウォーターを一杯飲んだ。

「ふぅ、なんか目が覚めちゃった・・・この時間のテレビもつまんないしなぁ・・・」
俊彦がラジオをつけると、偶然後輩の子安武人がパーソナリティをつとめるものがやっていた。
「お、子安だ」
俊彦はラジオに耳を傾ける。
子安は他愛のない話をしつつ、コアなネタで笑わせてくれる。
「子安深夜ラジオやってたんだなぁ・・・って、ん?」
自分の名前がよばれたきがして、ラジオにもう一度耳を傾けると
『せーっきさーん!誕生日、おめっとーございまー!って、おきてるわけないですからね、あの人寝るのそこそこに早いから』
「ラジオでそんなこというかぁ?普通」
俊彦は笑ってそんなことを言った。
『今日はこれから貴方の家に酒もって現れますので〜あしからず、関さーん!』
「はいはい、まじめにラジオやれっての」頬杖ついていうが、内心嬉しくてしょうがなかった。

「ばかこやすー!ふふっ」
クッションを抱いて、ばふっとソファにとびこむ。
うとうと、と睡魔がおそってきたため俊彦はそのまま眠りについた。



「・・さ、ん。せきさーん?」
「ん〜〜〜〜〜〜〜」
「起きないと風引きますよー関さんー?」
「は!ケーキ!!!!」
がばっと起き上がる俊彦を上から見下ろすのは森久保祥太郎だ。
「何ねぼけてんスか、関さん・・・」
「あ、あれ?しょーたろ・・?」
「メールしたのきづきました?俺仕事おわったらこっちくるって」
「ごめん、寝てた」
「いや、寝るのはいいんスけど・・・ソファじゃないくてベッドで寝てくださいよ」
「うん」
のびをしてようやくおきると俊彦は携帯が光っているのに気づいた。
携帯を手に取ると
「えええええええ!なにこれぇ!」
「どしたんスか?」
祥太郎が俊彦の携帯をのぞくと、実に50件近いメールが入っていた。
「・・・迷惑メールっスね」
「わ、健くんからもきてる・・・!」
祥太郎はふぅ、と一息ついて頬を片手でぽりぽりとかいてから、携帯に夢中な俊彦の肩をつんつん、とつついた。

「ん?なに?」
「はい、関さん」
「え!花!?」
「そうですよ、誕生日、おめでとうございます。本当は一番乗りでいいたかったけど。」
「うわー!祥太郎、ありがとう!」
「これ、6月11日の花なんですよ」
「そうなんだ・・!なんていうの?」
目を輝かせる俊彦に祥太郎はゆっくりと口を開いた。
「紫君子蘭。アガバンサスっていいます」


花言葉は・・・誠実な愛


「俺の気持ちですよ、関さん」
言うと祥太郎は俊彦に軽く口付けをした。
とっさのことに反応できず、俊彦はキョトンとしたが
それもつかのま、ものすごい勢いで顔があかくなっていく。
「しょ、しょうたろう!」
「俺の気持ちですって。誕生日おめでとう、関さん」
笑顔で言う祥太郎に、俊彦はなにもいえなくなってしまった。
「〜〜〜ッ!せ、誠実なんかじゃないじゃないかぁ!」
「今日ぐらいは誠実でいるつもりですから、次はどうだかわからないスよ」
にっこり笑う祥太郎に眉間にしわがよる思いで俊彦はうなだれた。
うつむいても耳まで真っ赤で、それがかわいらしいな、と祥太郎はおもった。

「やっぱり、祥太郎に合鍵わたすんじゃなかったー!」
「あれ、てっきり関さんはそっちの意味でOKなのかとおもってましたけど、俺」
「ち、違う!違う違う!」
「あはははそんな焦らなくたって」
「6月の花なんだから6月いっぱいは誠実であってくんないかなぁ」
「どうでしょう」
「しょーたろー!!!」
必死になってる俊彦に「ケーキありますよ、関さん」と話をそらす祥太郎なのであった。





おわし。


***
誕生日おめでとう、せきさん!
だいすき!

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あきゅろす。
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