星屑の在り方
(月姫/琥珀)このアナタが大好きでした
「ねえねえ琥珀さん、最近のアイドルってさー」
「はい」
「可愛いくて、ちょっとおバカな方が売れるよね」
「言われてみれば、最近の傾向を見る限りではそう断定出来なくないですね」
「つー訳で、ちょっくらアイドルを募集している事務所があったから応募してきた」
「まあ、誰をです?」
「勿論、琥珀さんをっ☆」
「……はい?」
「貴女ですよ琥珀さん。琥珀さんをとりあえず応募させてみた」
「ザビ子さん、それは本人の了承を得てから出すべきものですよ、多分……」
「え、良くあるじゃん。『友達がぁ、勝手に応募しちゃってぇ』みたいなパターン」
「確かに、確かに良くありますけど……」
「その結果、見事合格。おめでとう琥珀さん!!」
「わ、有り難う御座います────って全然嬉しくないですぅ!」
「1/100だったんだよー、応募してきた子は何と百人居たんだってー。それに受かったんだよ、書類審査だけで。十分めでたいですよ?」
「確かに……そう考えると嬉しいですねぇ。
────良し、それって面接は何時ですか?」
「お、受けるの? よし、面接は明日の午前十時からだって。場所は私が案内しますよ」
「よぉし、それではサクッと行って参りますか、ザビ子さん♪」
「おー!」
◇ ◇ ◇
「いやー、まさか落ちるとは思いませんでした〜♪」
「いや寧ろ落ちて正解というか……駄目だよ琥珀さん、ジョニー(仮)を出したら」
「だってですよ〜? 『趣味は何ですか?』と訊かれまして『趣味は園芸、植物を育てる事です』と答えて、『どんな植物を育ててるんですか?』と訊かれたのでジョニーを御見せしただけなのですが」
「琥珀さんの趣味はどちらかと言えば怪しげな薬開発ですよねぇって内心考えた私がいる」
それは明らかな人選ミスであるからにして。
琥珀さんがアイドルになったらお茶の間が大参事になる。
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