星屑の在り方
(銀魂/3Z)追試験という恐怖は見ない
「────よォし、今日の授業はここまでな。日直、号令」
「はぁい。起立〜、礼ー、着席」
「はいお疲れ〜、特に大事な連絡事項もねぇからお前ェら、とっととけーれ」
「大丈夫なのか、この学校」
「あ。一つ言い忘れてた。おーい、ザビ子〜。居るよな頼む居てくれ。
まだ帰ってねぇよなー? お、居た居た、おいちょっとザビ子帰るな」
「あン? ったく、んだよ銀八ぃ。テメーがとっととけーれっつったから帰ろうとしてんじゃねぇか、止めてくれんな」
「まあ待て待て。お前、この間の日本史のテスト、赤点取ったからこの後追試験なっ」
「うえぇぇ、マジでか」
「マジでだ。俺が監督してやっから有り難く思えコノヤロー。
じゃ、俺ちょっと職員室行って必要なモン取ってくっからお前教室に待機ってろ」
「早く戻って来なければ帰るからな。
────私を待たせるなんて論外よっ!」
「お前は俺の彼女か!?」
◇ ◇ ◇
「銀八おッせぇーなぁ……よし、こっそり帰るか」
「おっ待たせー、いやァ〜来る途中で死にそうになってたオバーサンを助けてて遅くなっちゃった」
「なにカ○シ先生みたいな事言ってんだよ、どうせアレだろ、プリントが見当たらなかったから探してて遅くなったんだろ?」
「なんで分かった。お前さてはエスパーだな!?」
「……先生の机、カオスだからすぐに分かりますよ」
「うわ、なにその冷めた態度っていうか冷めた目!? やめてくんない、なんか俺ボケたのに凄いスベッたみたいになるからやめてくんない?」
「スベッたんですよ先生」
「敬語やめてぇえぇええ!!」
「そんな事より早く追試始めて下さい。時間の無駄ですから」
「ぉ、おお。時間の無駄てお前……まあ、最初の方は簡単だな。
うん。良しそうだな、俺が今からお前の間違えた所を読むからお前はその答えを言え、その方が俺が楽しいし。因みに反対意見は認めないぞー。
え〜まずは……1192作ろう」
「認めてくれよ反対意見くらい、つかアンタが楽しんで如何すんだよ、こちとら死活問題だぞコノヤロー。アレだろ、私がテストに集中すると自分が手持ち無沙汰になるのが厭なんだろ。て言うか語呂合わせ年号てアンタそれ大丈夫なのかよ。
ハァ……鎌倉幕府」
「ハっズレ〜♪」
「はァ!? 合ってるだろ、1192年に鎌倉幕府が成立したんじゃないのか!?」
「違うんだよなァ、これがまた。その年は源頼朝が征夷大将軍になった年だったりしまぁす。
間違え易いので要注意するようにって服部先生に言われなかったかぁ?」
「……じゃ、鎌倉幕府は何年なんだ?」
「俺が知る訳ねぇだろ、担当教科は国語ですのでっ」
「腹立つし使えないなコイツ……。じゃあ次の問題!」
「使えないってお前、先生に向かって。…………1917あきこが」
「ロシア革命」
「正解。因みに、これに影響を受けて翌年革命を起こした国は」
「ドイツ革命」
「当たり。まあ、この辺は常識問題だから解けて当たり前なんだけどな」
「うっさいわ銀八。っていうかそれ世界史だろ、私が追試ったのは日本史じゃボケ! 次!」
「息抜きだっつーの。口悪いな相変わらず……えぇと……1603」
「江戸幕府」
「よし。次。1582」
「本能寺の変……なにその語呂合わせ」
「当ったり〜。語呂合わせはほら、あれだ、年号っつーのはなぁ、大体がこんな感じだろォが。
そんなに不満なら次からは言い方変えてやんよ」
「そうしてくれっと助かる」
「────────当時、戦国最強と謌われた武田の騎馬隊を撃ち破ったの何の戦いか」
「長篠の戦い。おぉ、真面目な声出せるんだな銀八……」
「正解っと……じゃ次行くぞボケが」
「お前の方がボケじゃ」
「────1600年に起きた戦いは何というか、また東西どちらの負けか、また誰の裏切りにより敗戦したか答えよ」
「うわ、この先生ったら答案用紙を丸読みしやがった。
関ヶ原の戦い、西軍の大敗、小早川秀頼の裏切り」
「正ぇ解。なんだよザビ子、お前ここに書いてある奴殆ど分かるんじゃねぇか。
なんだって追試なんか受けてんだ」
「あっはは。まあ良いじゃないですか銀八先生っ」
「なんだよいきなり、気持ち悪ッ!
────────まだ問題あっから続けるぞ〜?」
「どんとこいやァァァァァァァァ」
「ペリーが黒船四隻を率いて現れたのは何処か、また何をしにきたか、また何年にやって来たか答えよ」
「浦賀で日米和親条約を結びにきて1853年」
「おぉ〜。ザビ子、お前頭良いんだな意外と」
「最後の四文字要らないんだけど。私は本当は頭良いんです」
「さいでっか。ほいじゃ、お、次が最後の問いだぞ〜」
「どんとこいやァァァ!」
「第二次世界大戦のきっかけとされるのはどの国がどの国を攻め入った事がきっかけか。
また、日本が敗戦し受諾した宣言を何といい、何月何日に受諾したか」
「ドイツがポーランドを攻めたのがきっかけ、ポツダム宣言、8月14日」
「────満点っと。
ったく、全部合ってるならなんで追試なんか受けてんだか……」
「人間、調子が良い時と悪い時ってあんでしょ、そんな感じだ」
「ぜってぇ違うと思うんだけどな俺ぁ」
二人だけで勉強会。
追試になれば、先生と二人っきりになれるからとは口が裂けても言うまい!
「……っていうか言えない」
「? なにをだ?」
「こっちの話でーす」
◆ ◆ ◆
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