星屑の在り方




(無双/くのいち)その姿を愛してる




「────────おや、このかんざしは……」

「はぅ〜ん、どこ行ったのかにゃ……。あ、ザビ子様ァ、あたしの簪見ませんでしたぁ?」

「嗚呼、矢張り。これは貴女の簪でしたか、くのいち」

「はにゃにゃ? ああ、それですそれですぅ!! それどこにありました、ザビ子様?」

「丁度わたくしの部屋の前に落ちていました。序でですから妾が挿しても良いでしょうか」

「え、そんなぁザビ子様の手を煩わしちゃあたしが幸村様に叱られちゃいますよぉ」

「妾がやりたいのですから、幸村になにか言われたらそう告げれば良いではありませんか。
さあ────────此方こちらへいらして下さいな」

「むぅ……ザビ子様がそう仰るならしょうがないです。
お言葉に甘えまして、おっじゃまっしま〜す、にゃは☆」

「ふふ、なにも無い部屋だけれど……そんなに畏まらないで、楽にして下さい。
────それじゃあ、ここに座ってください?」

「ここって……そのたっかそ〜な座布団の事ですかザビ子様?」

「はい、そうですが?」

「ザビ子様ァ〜、一介の忍にゃ敷居が高すぎるぜぇー! ただでさえザビ子様のお部屋にお邪魔する事が烏滸おこがましいですのにぃ」

「? 何故なにゆえですか? 彼方あなた此方こなたも同じです、なのに何故そのような事を言うのです」

「────────……」

「妾は人を順位づける事を良しとしていません。人はみな平等なのですから。ここに或る全ては同じものなのです。
人はみな、母上様の愛を承って産まれ満ちるのです」

「…………」

「……けれど、人は順位をつけたがる、それに意味を見出す愚かな者もいる……その様な事は無意味だというのに……」

「ザビ子様は、人は誰でも平等だと言いますけど……世の中はそんな甘くないんですよ」

「理解ってます。現に妾がそれを体言していますから……」

「ザビ子様は幸村様のお嫁さんだもんね、にゃはは♪」

「ふふ、そうですね。妾は真田に嫁いだ人間であり、妾の父上は織田の者ですからね」

「そうです。……言い方悪いかもしんないケド、ザビ子様の仰ってるのは所詮夢物語なんです……。階級があるから、この世の中は動けているんだもん」

「……そうですね……所詮、妾の言っている事は絵空事詭弁なんです。
けれど、その様に小難しい話と『妾が貴女の髪を結いたい』という話は、また別でなくて?」

「!? …………こりゃザビ子様に一本取られちゃいましたにゃぁ……」

「ふふ。妾は屁理屈を捏ねるのが得意なんですよ。
さあ、御髪みぐしを整えましょうか」








































人に優しく生きていく。(女の子に優しく、男の子には手厳しく)

「くのいちの髪は綺麗ですね、まるで絹の様……櫛の通りが滑らかです」
「ザビ子様の御髪の方がキレーですよぉ、にゃは♪」












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あきゅろす。
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