星屑の在り方




(復活/黒曜)わたしは炬燵が好き




「うおッサブェェエエゥウゥェェィい!! ねぇ、なぁんでこんな寒ィんだか畜生めェエェェい!!
コタツに入ってるのに寒ィイィィぞぉぉぉい!!」

「ザビ子うっせぇびょん!! つぅかオメー勝手らな、夏はあんだけ“早く冬が来ないカナ☆”とか言ってたじゃねぇーか!!」

「それはそれ、これはこれ。兎にも角にも寒いよォ……!!
ひえぇ、さ、寒い…………犬、ちょいとアンタなんでそんな薄着なん」

「は? なんれって、平熱がちょっと高いからからに決まってんらろ」

「マジでか!! どれ、本当にそうか私が直々に確かめてくれるわ!」

「────ッ!? ぅわちょ、な、しッ!?」

「マジだ、マジに犬超暖かいンだけどォ……はぁ、ぬくい」

「……なにしてんの、二人共」

「あ、千種。なに持ってんの?」

「……寒いって誰かさんが叫んでたから土鍋でうどん煮た……」

「わぁ、甲斐の名物、ほうとううどんだぁ!!
よし、まだ骸が帰ってきてないけど先に食っちまおうぜ」

「……骸様に失礼……、だけど俺も腹減ってるし別に良いか……」

「つぅか、いつになったら俺はザビ子の熱烈ハグから解放されんら!! うどん食いづらいらろ!!
膝の上に乗るなびょん、足痺れるらろーが!!」

「え〜、誰が離すっつったよこの天然カイロめ。まだ暖を取らせて貰うからな……嗚呼、温い……」

「嫌らって言ってんろが聞こえねぇんかお前の耳は!? 悦に浸った声出すらよ、然も耳元れ!!
こんら状態、骸さんに見られ────……」

「────────見られ……、その続きはなんですか、犬?」

「……ッ! ……む、くろ……さん」

「あ、お帰りィ。良いタイミングで帰ってきたね骸。今丁度ご飯にしようとしていた所さ」

「そうですか。ではコタツに入って頂くとしますか。
────────所で。何故、貴女は犬に抱きついているのですか?」

「ん、犬がスッゴいあったかいんだよ〜。寒いの苦手なんだよ、私。千種、コンロここに置いとくよ」

「……ん。……犬、コンロの火ィ着けて」

「へいへーい、これってこれを捻れば良ンだよな? ……よし、着いた着いた。
つぅか、ザビ子もコタツに入ればあったかくなるびょん、馬鹿じゃねぇ?」

「やー、犬の方があったかいもーん。それにハグは挨拶なんだから別に恥じる事ァ無いよ」

「恥じてねぇれす!! ……恥ずかしくねぇっつのホント。
ただ、骸さんの無言の威圧感に殺られる俺が可哀想らって気付けびょん」

「つか、犬て意外に筋肉質だよねぇ、この辺の筋肉とか凄いし…。案外男の子してるねぇ」

「ほが!? うわ、ちょ……ザビ子どこ触っ……て……!」

「どこって……鎖骨から胸骨にかけて、胸鎖乳突筋と前鋸筋と外腹斜筋と腹直筋を触ってんの。
この筋張ってる加減がなんとも言えないねぇ、無駄な筋肉じゃなくて実用的な筋肉だからね」

「筋肉の名称詳し過ぎるらろ! つぅか普段そんな名称使わねぇす!
つか、腹は止めぇ…ッ、……擽っ、てぇ……ッギャーハハハハハ!!!!」

「いや〜、良い筋肉してんなァ。暖かくて良き筋肉を持ってるなんて、私の理想のタイプ過ぎるよ犬んんんん!!!」

「ちょ、ザビ子!! いくらなんでもチョークスリーパーは止めた方が良いかと思いますよ!!
犬真っ青じゃないですか、ごめんなさい僕が悪かったですだから彼を離してあげて下さい、普段見た事無い様な安らかな顔してます!! 死にます、そのままだと犬が死にますよザビ子!!」

「……つか、火の近くでふざけんな。流石の俺も怒るよザビ子」




































お母さんは怒らせちゃいけないのだ。

「千種があんなに怒った顔初めて見たし……でもうどん美味しい」
「俺、一番の被害者らびょん……でもうどん美味いびょん」
「すみません、もう羨ましいなんて思いません……でもうどん美味しいです」












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