星屑の在り方
(Fate/士郎)伝えたいこの気持ちを
「セイバー、ちょっといま良いかな」
「はい。なんでしょうシロウ」
「ザビ子見てないか?」
「いえ、今日は一度も。何か用事でも」
「え、いや、別にたいした用じゃないんだけど……」
「?」
「…………あいつ、今日誕生日なんだって、遠坂……」
「嗚呼、そういう事ですね。分かりました」
「っ、別に深い意味なんて、なくてだな!?
やっぱ、日頃世話になってるしな、何か感謝の気持ちをだな……!」
「はい、分かっています」
「わ、分かってないだろセイバー!?
大体な、分かってたらそんな含み笑い────……」
「やっほーい衛宮くゥん、お邪魔しまーす!!
あ、いたいたセイバー。はいこれ、お土産の鯛福亭の一日十個限定のどら焼き!!」
「こんにちはザビ子。ほほう、どら焼きですか、有り難う御座います。
これは丁度良い。シロウ、お茶にしませんか?」
「────しない、だろ、って…………。……はあ、もう良いや……」
「士郎、お邪魔してますアンドおはよ!」
「お邪魔されてます、おはようって時間じゃないけどおはよう、ザビ子」
「もう午後だもんねぇ。……はいこれ、士郎にもお土産」
「? な、なんだよこれ……花?」
「うん、綺麗だったから買っちゃった。
……士郎にあげる。私からのプレゼントだよ〜」
「あ、有り難う……でも男に花をあげるのは、ちょっとどうかと思う……普通逆というかなんというか?」
「あら、やけに賑やかだと思ったらザビ子が来てたのね?」
「遠坂さん、おはようアンドこんにちわ!」
「時間的におかしいけれど、まあ挨拶されたからには返すわね、おはようザビ子。今日も頭も行動も絶好調のようね。
……あら? 士郎、その抱えてる花どうしたのよ?」
「私があげ申したでござる」
「ザビ子から貰った」
「ふぅん、そう。…………ザビ子、貴女もなかなかやるわね。
────ねぇ士郎、その花の名前知ってる?」
「えーと、ヒメキンギョソウ、だよな? プレートに書いてある」
「ええ、そうよ、合ってるわね。
それで、その花の花言葉知ってるかしら?」
「えぇと……花は流石に専門外なんで……」
「……知らない、と。仕方ないわね、特別に教えてあげるわ。
ちょっと耳貸しなさい士郎、こっち来なさい」
「? ぉ、おう……」
「ヒメキンギョソウの花言葉はね…………。
────“私の恋をしってください”なのよ────」
ソレを貴方に伝えたかった。
おや、シロウ。顔が赤いですが様ですが、どうかしましたか?
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