星屑の在り方
(Fate/士郎)憧れであり続ける人
「と、遠坂さんっ!」
「はい? なんですか、ザビ子さん?」
「あの、これ昨日作ったんだけど、その、作り過ぎちゃって、だから、えと、あのですね……っ」
「…………要するに、これ、私にくださるんですか?」
「うん、そうです!! ………ぁ、その、やっぱ迷惑、でしたか?」
「いいえ、そんな事ないですよザビ子さん。貴女の作る料理はとても美味しいですから、有り難く頂きます」
「────あ、ありがとう御座います。美味しい、だなんて、そんな……! えへへ……」
「ザビ子〜、居るか?」
「あ、士郎。どうしたの」
「どうしたの、じゃないだろ? 昼飯食べるから生徒会室行くぞ」
「あ、そうだね。────それじゃあ遠坂さん、失礼しますね」
「ええ、ザビ子さんもごゆっくり」
◇ ◇ ◇
「遠坂となにを話してたんだ?」
「大した話はしてないかな〜。昨日私が作った料理をお裾分けしてたの」
「へぇ。昨日のは確かに自信作だもんな。もう和食もザビ子に敵わないな……師匠としてはちょっと寂しいな」
「だって、男の子である士郎の方が料理上手いなんて駄目じゃんか〜!
それだと士郎がウチに嫁に来ないとだしー」
「ザビ子、男である衛宮がお前の所へ嫁ぐ事は出来ん。
せいぜい婿に取るくらいしか出来んぞ、喝」
「それは違うよ、柳洞くん。男の子だけど士郎は別じゃないか。
よって士郎はウチに嫁に来る事が出来るのだよ、柳洞くん」
「どんな理屈だ、それは!! 屁理屈の上に普通にむかつくなその理論!
大体、俺は男だから嫁に行くなんてどう足掻いたって出来ないって言ってんだろ!!」
「だが、衛宮なら────……」
「そう、士郎なら────……」
「お前ら────二人共、表に出ろ……」
「眠れる獅子が目覚めた」
「衛宮はキレやすくていかん。少し心にゆとりを持て。
そうだ、柳洞寺に修行がてら鍛えに来ないか」
「ダメダメ、そうしちゃうと暫く士郎のご飯食べらんないじゃない」
「ザビ子、お前な……。お前にとって俺ってなんなんだよ……」
“主夫”を旦那に持つのって良いよね!
「……っ! なにこれ、うっまァ! ……今度ザビ子にこれの作り方教わろうかしら……」
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