星屑の在り方
(復活/雲雀)届かない衝動
歌に乗せる衝動→歌が吼える衝動・続
「♪ゆうやーけこやけぇの赤とーんーぼー。負われーてーみたのぉはぁ、いつのーぉ日ぃかぁ〜」
「……なんか微妙に上手くなっていってるねザビ子────」
「あ、委員……ッ、ひば、り、さん……コンニチハっ!」
「…………」
「雲雀さん、今日はまた如何なさったんです。
あ、まさかまた他の委員会から苦情がきたとか? まじかー!?」
「…………この前は僕の事、名前で呼んでくれたのに……」
「? なにか仰いましたか、雲雀さん?」
「いや、なんでもない。今日は僕が来たくて来たんだ」
「へぇ、そうですか。また物好きだねぇ雲雀さんも。
だけど────────良かったです」
「? なにが?」
「先刻雲雀さんが言ってくれたじゃないですか。“上手くなってる”って」
「…………ああ、うん。言ったね」
「その御言葉が聞けただけでも、練習した甲斐があったって思うので。
雲雀さんに褒めて貰う為に、猛練習したんですからっ!」
「!」
「バケツ被った状態で歌ったり、カラオケ行ったり、本格的な発声練習したりしたですよー!」
「────ザビ子さ」
「はい、なんです、雲雀さん?」
「……君、自分の言った事の意味分かってんの?」
「え?」
「…………その様子だと、気付いてないんだね」
「え? なにがです?」
「────この、鈍感っ」
「あで、い゙っだ!! な、なに、なんでデコピンされたの私ッ!!??」
「自分の胸に手を宛てて考えろ、僕はもう君なんて知らないし」
「ええぇえ、なんでか良く分からないけど私、雲雀さんに見放されたぁぁぁ!?
雲雀さん待って、自分の胸に手を充てて考えてって言われても私まな板だから切なくなっただけだったよぉお!?」
「うん、やっぱ気のせいであれ」
それって最高の口説き文句じゃんか。
君の事、いつの間にか好きになってたなんて。
気のせいであって欲しい。
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