星屑の在り方
(Zero/龍之介)あなたがわたしのそんざいりゆう
「ねえー龍之介」
「なーにぃ、ザビ子？」
「龍之介はきっと、ロクな死に方をしないよ〜」
「おう、知ってるよ。百も承知だし」
「殺人鬼がまっとうな死に様を晒せると思ってるぅ？」
「勿論思ってないよ、当たり前じゃん」
「――――……」
「だから、俺は殺人鬼なんだ」
「……そっかー」
「人の死を求めるあまり殺人鬼になったケド、俺はそれで満足だし」
「うん」
「それに、俺がまっとうな死に方したらＣＯＯＬじゃねぇじゃん？」
「そうだね……それが“雨生龍之介”だし」
「だから。俺はそれが良い。まっとうな死に方するくらいなら、豚箱にブチ込まれた方がマシってねー！」
「龍之介は、自分の死をもエンターテイメントにしちゃうワケなんだね、オーライ分かったわ」
「勿論。自分の死に方なんて自殺しない限り決められないだろ？
だったら、サイコーにＣＯＯＬな死様晒した方が断然良いじゃんか」
「あっははー、筋金入りの殺人鬼なんだから、龍之介は」
「そりゃどーも。……さて、辞世の句はもう済んだ？」
「うん。今の問答で十分だ」
「あそ。それじゃあザビ子。俺がアンタの最後をサイコーにＣＯＯＬに飾ってやるよ」
「それは勿論…………“とびっきり”、だよね？」
「勿論」
「そう。それじゃお願いします、龍之介。
ああ────最期に、一つだけ良いかな？」
「最期の瞬間だからな。好きなだけどーぞ」
「龍之介、私は貴方を愛してる。心の底から、私が滅んでも、魂は消える事なく貴方を想い続けるよ……それこそ冗談抜きに永遠に愛している。
生まれ変わっても、また貴方に出会って、貴方に恋をして、貴方に殺される事を切に祈る────」
「そうか、俺もだよザビ子。
生まれ変わっても、すぐにお前を殺しに行ってあげよう。
アンタの死を、最ッ高にＣＯＯＬなアートにしてやる。
殺人鬼、雨竜龍之介が此処に誓いマス────」
貴方の手に掛かる。
それ以上に、この身に余る程の儚福はないさ。
愛する人の手にかかるなんて、幸せじゃないか。
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