星屑の煌めき




(ラブライブ!/絵里)三日月夜空が微睡む夜明け頃





「絵里〜、今帰り?」

「あら、ザビ子。いいところに来たわね」

「およ、私に何か用でも」

「用というほどでもないのだけれど……ザビ子、この後なにか用事あるかしら?」

「このあと? 今日はバイトないし、暇だよ」

「じゃあ、ちょっと学校のプールで泳がない?」

「えっ、泳げるの?! いいの?!」

「ふふ、私を誰だと思ってるの? ちゃんと理事長の許可は取ってあるわ」

「わーい、泳ぎたい泳ぎたーい!! あ、でも水着ないや 」

「大丈夫、そういうと思って予備の水着を職員室から借りてきたわ」

「流石賢い可愛いエリーチカ!! 用意周到だわー!」

「じゃあ、プールに行きましょうか」





◇ ◇ ◇






「誰もいないプール貸切状態! 最高の贅沢って感じー! よーし着替えも準備運動も終わったし気合入れて泳ぐかー!
……ん。そういや、なんで絵里はプールに行きたいと思ったので?」

「えっ、べ、別に深い事は考えないでいいじゃない。それよりほら、泳ぎましょ?」

「おっと、今まさに話題を物理的に水に流された感がある」

「ザビ子は泳ぎ得意なのよね?」

「得意って程でもないよ……速くもなければ遅くもない」

「あら、じゃあ丁度いいじゃない。あなたのコーチをしてあげるわ」

「頼りになるけど、それじゃあ絵里が泳げないじゃん、本末転倒だよ」

「いいの。それにほら、人に教える方が自分の躓いた所がよく分かるでしょう?」

「それって普通に勉学だけじゃないの?」

「細かいことは気にしないのっ、ほら、試しに泳いでみて?」

「よく分からんけど、お願いしまーす」





◇ ◇ ◇






「────うん、タイムも早くなってきたわ、この調子で行けば自己ベスト更新も近いわ……」

「絵里に教えてもらってから格段にタイムが早くなって嬉しい私は今、絵里のタイムを計っております。
しかし二十五メーターをクロールで22秒て、すごい早いのにそれを更に更新しにかかるとか絵里まじストイック」

「ザビ子、今のは何秒だった?」

「ちょっと疲れが出てきたね、今のは24秒フラット。少し休憩挟もう、絵里は私の倍動いてるから余計に休息大事よ」

「そうね……それじゃあザビ子の意見に賛成して、少し休憩しましょう」

「頑張る事も素晴らしいけど、頑張りが過ぎると身を滅ぼすよ。穂乃果も絵里も適度に自分を労りなさい、って前ににこが言ってた」

「にこが……。ふふふ、なんだかんだでメンバー想いなのよね、にこって。
誰よりもμ’sの事を気にかけて、誰よりもみんなを心配して────誰よりも、スクールアイドルとしての自分を誇りに思っている」

「まあ、私から言わせてもらうとすれば、にこも絵里も穂乃果も、みぃんな自分に厳しすぎるから疲れちゃうよーって。
長女の特色なのかねぇ、誰かに頼らないで自分の力でのり切ろうとしちゃうのは」

「あ、言われてみれば三人ともお姉ちゃんだったわね。ふふ、ザビ子の言う通りね。私達みんな、頑固なお姉ちゃんだわ」

「ね、絵里もさ。今はお姉ちゃんとしての責任とか意地とか全部取っぱらっちゃってさ、私に……みんなに甘えても良いんだよ?」

「ザビ子……うん、ありがとう────急に甘えるって事は出来ないかもだけど、少しずつ、甘えさせてもらってもいいかしら……」

「うん、ていうか、私が全力で甘やかすから覚悟して?」

「────ザビ子も、私に甘えて欲しい所だけど、ね……」

「絵里、休憩終わりにしてそろそろ泳ご」

「ええ、そうね」























































笑顔の裏に隠す徒労

「なんで急に泳ごうって言い出したのかは教えてくれないの?」
「……実はね。最近水着がキツくなった気がして……ほら。この辺とかキツそうに見えない?」
胸の辺りこ の 辺 りって、それは多分……」
「水着って体型の崩れが目立つのよね……でも今更学校指定の水着を買い直す訳にもいかないし」
「つまり、ダイエット? 絵里太ってないと思うそれ多分胸のサイズが……」






























◆ ◆ ◆












































←前

次→


308/329ページ


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!