星屑の煌めき




(Fate/衛宮邸)精神の浄化を求めよう




「衛宮先輩、今ちょっとよろしいですか?」

「ああ、どうした桜」

「失礼しま……ぁ、ザビ子先輩も居らしたんですね」

「あ、ごめん。私席外すべきだよね」

「いえ、大丈夫ですよ。あの、コレを作ってみたんですけど、食べてもらえますか?」

「……チーズケーキ、だと。手間暇掛かることこの上なし矢の如しだと有名なチーズケーキ、だとぅ!?
え、これ桜ちゃん作ったの!?」

「はい、前からちょっと作ってみたいなぁって思ってて。材料のクリームチーズが安く売ってたので、ちょっと頑張ってみました 」

「凄いな、タルトから作ったのか?」

「はい。どうせなら全部作ってみたいと……」

「すごい! もう見た目からしてお店で三千円ぐらいで売ってる奴だこれ!!
すごーい、もうお菓子作りでは桜ちゃんにも敵わないわー!!」

「そんな事ありません!! ザビ子先輩の作るお菓子、とっても美味しくて見た目も華やかで可愛いですし、わたしはまだまだ勉強中の身ですから」

「俺はもうこっち分野では桜に完敗だな……よし、どうせならお茶も欲しいよな、今淹れてくるよ」

「あ、それならわたしが」

「いいよ、桜はここで待っててくれ。……ザビ子が変な動きしたら全力で止めておく係に任命する」

「衛宮くん、私は藤村センセみたいな飢えた獣じゃないですよ!?」

「ふふっ。はい、ここでしっかり見張っときますね」

「味方がいない。節制するし節操あるのに、え、これは酷い」

「じゃあ、紅茶にするか。ちょっと待ってろ二人共、すぐに淹れてくるから」

「────ところでザビ子先輩、先輩の部屋こ  こでなにをしてたんですか?」

「ん? 衛宮くんに畳部屋の掃除の仕方教わってた。
知ってた桜ちゃん、畳って掃除機かけちゃいけないんだって」

「えっと、それはわりと常識なような……」

「そうなの?  うち洋館だから畳部屋の掃除の仕方知らなくてさー、これを機に身につけておこうと思ったんだけどわりと常識的な事だったのね、衛宮くんも同じような顔してたもん」

「お家に畳がないと分からないものですよね、はい、そうですよ」

「桜ちゃん優しい……でも間桐のお家の方がよっぽど洋館洋館してるし広いし、そういう意味では桜ちゃん、凄い、和洋両方お掃除出来るの? 嫁にしたい」

「あ、でもわたしも衛宮先輩から教わったりしてたので、大丈夫ですよ」

「桜ちゃんは気疲れしそうなぐらい良い子だわ……。にしても衛宮くん遅くない?」

「言われてみれば……いつもより時間かかってますね?」

「紅茶の入れ方に手間取ってると見た。最近凛の言いつけをきちんと守ってる節がある」

「あ、パックからじゃなくて茶葉でってやつですね? わたしも指南書読まさせていただきました、あれちょっと難解ですよね……」

「もう日本茶だけで良いじゃない紅茶はパックでも十分美味しいじゃない日本の技術が籠められてるから美味しく飲めるよ……」

「んー、まあ姉さんの拘りも分からなくはないですけどね」

「インスタント化を謀ろうよー、楽で済むなら楽をしようよ、ねぇ?」

「おーい、お茶持ってきたぞー」

「お帰り衛宮くん、遅かったね。……む?」

「────先輩、もしかしてそれ」

「ああ、遠坂の倫敦ロンドン土産……という名の修行道具だろうな」

「ひゅー!! 忙しくて観光する暇なかったなんて言っておいてしっかり凛てば流石ー!! そこに痺れもしないし憧れもしない!!」

「随分お高そうなティーセット一式ですね……コレは流石姉さんと言わざるを得ませんっ」

「そしてそれを当然のように衛宮くんに渡して執事として完璧に仕立てあげるつもりだね!! WEDGWOODとか、半端ねぇ!!」

「……あとあと調べたらこれ英国王室御用達ブランドなんだな。
末恐ろしいモノを買ってくれたよ、遠坂の奴も」

「あー、触れるなら一流に触れろ、と前に姉さん言ってましたね」

「金持ちかよ。なにその発想ブルジョワかな?」

「遠坂の家は財政厳しい筈なんですけど……姉さん、どうやって資金調達したんですかね」

「……? あ、そういえば私凛に金貸したな……」

「まさか」

「まさか姉さん」

「……」

「……」

「……」

「────────────────────お茶、冷めちゃうな」

「……そう、ですね」

「チーズケーキも食べよう……忘れるんだ、すべてを」









































騙る賤カタルシス語る賤カタルシス

流れは読めない方がいい。
































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