星屑の煌めき




(銀魂/銀時)風吹きし色もたゆたう冬の雪




「ゴホゴホゴホ……!! うげぇ、これ本格的に風邪引いたやもしれんな」

「ザビ子風邪アルカ?」

「ごめんな神楽、お前達には感染う つらないようにするな……ゴホ、ゴホゴホッ!!」

「うわわ、ザビ子もう家の事しなくて良いネ、ゆっくり休むアルヨ!!」

「……しかし、そういうワケには」

「これは工場長からの命令アルっ、上司の言うことは絶対ネ!!」

「……あはは、仰せつかりました、工場長。
お言葉に甘えて私、寝るわ……夕飯は出来てるから飯時にあっためろ?」

「あいあいさー。ザビ子、ゆっくり休んで早く治すヨロシ」





◇ ◇ ◇






「たっでぇまーっと。銀さんが今帰ったよ〜ってな」

「あ、お帰りなさい銀さん。今ザビ子さんが具合悪くて寝ているんで静かにして下さいね」

「あに、アイツいっちょ前に風邪引いてんの?
なにそれー超ウケんねー、新八ィ、風呂沸かしとけー」

「最高に最低だなアンタ!! 仮にも従業員が体調崩してんすよ、ちったァ労れよ!!
ったく、そんな事やってたらいつかザビ子さんに愛想尽かされてココ出て行かれちゃいますからね」

「アイツは万事屋こ こ以外に行き場がねーからだいじょぶだぁ、新八ィ、それより風呂」

「もう沸いてますよ!! 入るならさっさと入れば良いでしょうがこのクソ天パ野郎が!!」

「新ちゃんたらカリカリしてんなぁ、あーこわこわ。それじゃ俺風呂入っから〜」

「────新八ィ、ザビ子の具合どうネ?」

「神楽ちゃん……僕達がしっかりしないと、駄目だね」

「んなのとっくの昔に分かりきってるアル。それよりザビ子は?」

「微熱が出てきたみたいで、咳が酷いかな……僕ちょっと風邪薬買ってくるから神楽ちゃんザビ子さんの様子看ていてくれる?」

「お安いご用アル、ザビ子の事は私にドーンと任せるヨロシ!!
あの天パより役に立つ事請け合いネ!!」

「じゃあ僕出掛けるね、神楽ちゃんあと宜しく!」

「あいっ!! 新八ついでに酢昆布も買ってくるアルー!!
────ザビ子、だいじょぶアルカ……?」

「ん……神楽、か?」

「うん。ザビ子、ツラいアルカ……?」

「ぃンや、私自身は平気だよ……お前達に感染した時がツラいかもな……ゴホゴホゴホ、ゲホ!!」

「……ザビ子。ザビ子はいつもそうネ、ツラい時とか悲しい時も全部1人で抱えて笑うアル。
周りの奴らが傷つかないようにって事ぐらい私にも分かるアル……でも、でもそれじゃあザビ子が一番ツラい時、どうするアルカ……!!」

「……私はね、大丈夫だよ神楽……こうして心配してくれる人間が居るンだ、なーんも悲しむ必要もねェ……ツラい事なんてなくなる。
お前達が居るンだ、なら、私は大丈夫なんだよ、神楽……」

「でも!! でも、それじゃザビ子はいつだってボロボロネ!!
ボロボロなザビ子を誰が介抱するネ!! 私にだってザビ子を担ぐ事出来るアル、ザビ子の背中の荷物、分けてくれても平気アル!!」

「……ありがと、神楽。それだけで十分、だよ……ゴホ、ゴホゴホゴホゴホゴホ!!!!」

「ザビ子!!??」

「か、ぐら……わる、ぃ、水、貰え、る、かな……?」

「すぐ持ってくるアル!! ザビ子、死んだらダメだからな!?」

「おぉっと、あぶねェ────────ったく、たかが風邪で大騒ぎしすぎなんだよ、おめーらは。
大丈夫かァ、ザビ子、銀さんが見舞いってやったぞー」

「ゴフっ────────、ぐ……っ?」

「? どうしたザビ子」

「…………、……っ…………ッ」

「あぁ? もしかして今の咳で喉完全にイカレたか?」

「……」

「律儀に頷きましたな。マッジでか。不便だな……あ、携帯で文字打って意思表示と会話出来んだろ、俺あったまいー」

「…………」

「あぁ? ……『私の風邪が治った暁には真っ先に銀時テメーのドタマをかち割ってやる』お前具合悪くてもおっかねーな」

「…………『銀時、お前髪濡れてんな、風呂入ったか?』

「ん? おう、今さっきまでな」

「…………『髪、ちゃんと乾かさないと風邪引くぞ、馬鹿』

「絶賛風邪引いてるどっかの誰かさんに言われたくねぇな、馬鹿はどっちだかな?」

「…………『揚げ足取んな。そもそも、私が風邪引いたのだってお前のを感染されたからだぞ、きっと』

「新八と神楽はピンピンしてっけど」

「…………『ウルサい。子供は風の子元気な子だ。私と子供達を比較するな、馬鹿』

「そりゃ悪かったな、ザビ子ももう老い耄れ始めたもんな、昔みてーにいつまでもイケイケじゃねーもんなァ?」

「…………『お前、私一応病人なんだぞ。労れよ、ロクデナシ』

「へいへい、労って欲しけりゃちゃぁんと横になってなさいよ」

「…………『銀時が起きてるのに私だけ横になるの、なんか嫌だ』

「はっはぁ〜ん? 良からぬ事を連想すっからか?」

「『死ね薄ら天パ』」

「なんでそれをタイピングするのははえぇんだよ」

「…………『銀時、神楽の帰りが遅い。心配だから見に行け』

「言われてみりゃそうだな。水取り行くっつって五分は経つな、どら、ちょっくら様子見てくっか」

「…………『良くない事が起きそうな予感がする、心配だ』

「ばっかおめーは自分の心配だけしとけ風邪っぴき」

「…………『早く治してお前を殴ると固く決心したぞ』

「へーへー。噛みつく元気があるなら問題ねェな、じゃあ俺行くわ」

「……『さっさと行けというに』

「っと、その前に」

「?」

「……っ、はぁ……。俺に感染うつして早く良くなれ、ザビ子?」

「っ……!」

「ザビ子ーお待たせアルヨー、食塩水作ってたら遅くなったネ〜。
────────って、ザビ子スッゴい顔真っ赤アル!! 熱出てきたアルカ!? ふおぉぉぉザビ子死んだら駄目アルヨォォォォ!!!!」



















































優しく重なる唇は、いつもより熱を帯びていた。

熱に冒されていたのは、どっちだったのか。




















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