星屑の煌めき




(銀魂/銀時)いつまでも燻ぶる火遊び




「アー、深刻な糖分不足でイライラする」

「そうか。ガンバレ銀時強く生きろ」

「淡々と言うなおめーほんと冷たいな」

「わたくしはいつもこうですよ」

「笑顔ヤメテなんか薄ら寒い得体の知れない恐怖を感じるからその満天の笑顔ヤメテ」

「んだおめー、今をときめく大人気喫茶店の看板娘ザビ子ちゃんの営業スマイルを見て薄ら寒い得体の知れない恐怖を感じるとは何事だアァン?」

「だって中身がそんなんじゃーそんな爽やか〜な胡散臭〜い笑顔見せられてもこえぇだけだっつの」

「この笑顔に魅了されない女の子はいないんだぞ、男装喫茶『BluEMooN』では常に黄色い悲鳴を浴びるこのアルカイックスマイルを見よ、ニッコ!!!!」

「止めろ薄ら寒い。お前は素のまんまが一番なんだからそうやって無理に取り繕うな」

「ウワ、誑し込められるトコだったぜ。アッブネー」

「銀さんのときめきセリフも華麗にスルーか、そうか」

「時に銀時さんや」

「あんだよザビ子さんや」

「アンタ今糖分摂取したいんやお」

「おお、なんで中途半端な土佐弁を使ったか分からねーが深刻な糖分不足でイライラしてます」

「どじゃーん」

「……っ!! そ、それは……!!??」

「ゴデェバの期間限定チョコ、オセーアンセレクションでーっす!」

「ウヲォォォォォォォォ!!!! まさかそんな高級品を生きて拝める日がくるたァ思っても見なかったぜ……!!」

「常連客からの差し入れでもらった。ほんとはいけないんだけどな〜、ゴデェバだし勿体ねぇしで店には報告しねーで持ってきた。
これな、たったの五粒しか入ってないのに値段がアンビリーバボーなんだぜ……?
これ一箱五粒入りでお値段二千二百五円とかバブルかよ」

「うっわたっか、うっわこっわ!!!!
なにそのアンビリーバボーな値段設定おかしくねェ!? こえぇよゴデェバなんだよゴデェバ流石ゴデェバ!!」

「ブルジョワ以外立ち入り禁止って感じの値段設定だよな……流石のわたしも冷や汗ものだったわ……。
なあオイ銀時ちゃんよ、ゴデェバのチョコ、食べたいか?」

「ゴデェバのチョコなんて早々食えたもんじゃねーだろ、この機会を逃すと一生食えねー気がするし。
勿論二の撃ち要らずに食いたいです食わしてくださいザビ子様」

「むふふ、いぞいぞ、貴様なかなかに悦いな。ならばしばし待て」

「────……っ、な、なんだ今の悪い笑顔……鳥肌総立ちしたぞ」

「じゃあ銀時ちゃん、ちょっくらそこのソファーに楽に腰掛けてみそ」

「お、おぉ…………大体ザビ子が俺をちゃん付けで呼ぶ辺りイヤな予感しかしねーよ……」

「はぁい、じゃー目を閉じて少し顔を上に向けた状態で口をおっきく開けてみそ」

「…………こうか?」

「おう上出来だよ銀時ちゃん。じゃ、今からお待ちかねの糖分を味わせてやんよ────!!」

「────────……っっっ!!?? ホガァァァァァァァァァァ!!!!!!!!」

「た〜んと味わってね銀時ちゃん☆」

「ゲホ、ゴホ…………ヲエェェエェ……ぉ、ぉま……コレ…………!!!!」

「銀時ちゃんが待ちに待った糖分だよ」

「確かに糖分だが!!?? スケールがちげェェェェェェェェェェェェ!!!!!!
テメ、人の口に砂糖一袋ぶち込むとか正気の沙汰じゃねぇよ、糖分と言う名の暴力じゃねーか!!!!」

「銀時ちゃんが糖分摂りたいって言うから、ザビ子ちゃん奮発して上白糖を開けたのにその言い草は酷いわっキャ☆」

「確実に殺す気だなおめー……ゴホ、ゴホ」

「悪い悪い、悪ふざけが過ぎたわ。おら、麦茶飲め麦茶」

「おー、さんきゅ────────って、ブッハ!!!!!!!!」

「ワア、綺麗に吹き出したな銀時、後片付けは自分でやってな」

「おま、ふつ、この流れでクソ甘ったるい麦茶を飲ますか……!!??」

「ていうか、普通この流れでわたしから差し出された麦茶を飲むか?」

「油断した、ホント油断したわ……そういやコイツこんなんだったわ、人の嫌がる事に関しては天才的に頭脳が働く傍迷惑な災厄なヤツだったわ!!」

「いやァ、銀時ったら連続で騙されんだもんな〜、ワロタワロタ」

「うっせ、ていうか真面目に目と喉が痛い、ヤバいやつだぞコレ……俺死ぬの? 俺死ぬの!?」

「アンタはそう易々とくたばるよーなヤツでもないでしょーに。
ほれ────今度こそ正真正銘、普通のお水」

「……」

「マジ人間不信1000%な目つきだな、オイ。わたしを信用しろってのは無理な話か……。
そんじゃ己が潔白を示す為、毒味するとしますか────ほら、なんともない。
わたしは銀時みたくクソ甘党でもなきゃア多串くんみたくマヨラーでもねえ、普通の味覚の持ち主だかんな」

「……最早銀さんはおめーを信じられねえよザビ子、一度失った信頼はもう二度と勝ち取れないんだ」

「無駄にシリアス声出して顔半分に影入れんなよ……みみっちい、仕方あんめー。
要するにアレだ、もお銀時さんはわたしは信用出来ぬと仰せか?
成る程承知、なればわたしは自身の無罪を証明するだけだ────」

「あん? テメーが水飲み干してちゃ世話ねーな、なにがしてぇんだザビ子おま────……むっ!!」

「んん……っは、水、だったろ?」

「…………みず、でしたね」

「なら、わたしの信用は?」

「ある程度、回復しました」

「ある程度かよ。ホント銀時は器がせめーせめー、どこぞの金ピカ宜しく寛大に寛容にアホだったら良いのに」

「うっせえよ……。て言うか、普通ただの水だってのを証明するために口移しで飲ますか普通」

「まあ、普通はしねーわな。まあわたしの場合相手が銀時ちゃんだったからシたようなもんだがな」

「やっだこの子底意地悪い笑顔しちゃってまー、誰の影響だっつの全くよォ」

「少なくとも、アンタの影響だっつの。強行手段とかは銀時ちゃんの十八番とするトコじゃない。
敵陣に真っ向からぶつかるなんてバカ正直にも程があらァ、そんな背中見ててみろォ、わたしだって多少の無茶もすらァな」

「ザビ子、段々高杉のヤローに似てきたな」

「最も過激とされちゃう系女子、ザビ子ちゃんですね、また新しいキャッチコピーが生まれたぞー」

「誇るな、恥じれよちったァ」

「まあまあ。それより、銀時あ〜んしろあ〜ん」

「……」

「目ェ開けてて良いから、今度ゴデェバ食わしてやっから、ほら、あ〜ん!」

「……あ〜……」

「ほい」

「────ウマい」

「そっか。良かった」





































飴と鞭と糖分ダイレクト摂取。
なんか、俺マジで高血圧とか糖尿病とかその他成人病で死ぬかも。
ザビ子がいけないんだこれは。
























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