星屑の煌めき




(Zero/騎兵)今すぐにこの命齎して




「ウェイバー居る? お邪魔するよ〜」

「む? おぉザビ子ではないか、どうした坊主になにか用があるのか」

「おわ、王様……っ!! あの、すみませんが下、穿いて下さい……!!」

「お? おぉ脚絆脚絆の事か、この時代は不自由だのぅ。余の時代では皆裸一環で暮らしておったというのに、ちと窮屈だわい!
故に今しがた坊主が余に脚絆を拵えてきておるのだ、帰りは遅くなるかもしれん、なにせあのちみっこい坊主が余のサイズに合う脚絆を購入するのだ」

「ウェイバーが居ない経緯は分かりました、じゃあせめて武装化してて下さいよ!!
なんでなにも着てないんですか! せめて下だけはなんか纏ってて下さいよ!!」

「うむ、お主の言わんとする事は分からなくもないが、余としてはあの様な無粋な格好を纏いたくないのだ、武具を纏うのは戦の最中だけで良い。
折角アジアを越え、極東の地まで現介せしめられたのだぞ? 当代風の服 装ファッションをしないでどうする!!
この世を征服せずしてなにが征服王か!! 手始めにまずは服装から始めようとしておるのだ」

「はぁ、そうですか……じゃあせめてタオルかなんか巻いて下さいよ……ウェイバーだけならまだしも、あの、一応私の性別分かってます?」

「そう照れるでない、余の肉体美に見惚れる気持ちも分からなくないが、そう初々しい態度を取っては芸術を見極める事は出来ぬぞ?」

「いやあの、まあ、照れてるのは認めますが……もう良いです」

「む? そういえばザビ子、お主坊主に用事があったのではないのか?」

「はい……あの、とりあえず出直しますね、ウェイバーが帰ってきたらまた訪ねます」

「ほお? 坊主といいお主といい、随分とまあ初な反応を見せるのう。余の肉体美を前に慌てるのも頷けるが、見よこの筋肉────」

「────失礼します!!!!」

「……初だのう……」





◇ ◇ ◇






「はぁぁぁぁ、なんで王様てば服着てくれないんだろぉぉ……」

「おや、どうかしたかいザビ子?」

「ぅはい!? お、おおおお爺さん!?」

「どうしたザビ子、顔が真っ赤だが熱でもあるのかい?」

「いえ、『なんでもない』ですよ『私の事は気にしない』で下さい」

「…………そう、か。……おや、私はなにをしようとしていなんだ?」

「やだなぁ、『お爺さんはこれからお婆さんを連れて買い物に行こうとしていた』んでしょ?
早く行ってあげなきゃ、お婆さん待ってるんじゃない?」

「ふぅむ……そうだったかな……? ああ、そう言えばマーサを連れて買い物に約束をしていたか。
では私はマーサと出掛けてくるが、ザビ子とウェイバーにお留守番を任せてもいいかな?」

「は〜い、大丈夫だよお爺さん。行ってらっしゃーい。
…………はぁ、疲れた。魔眼ギアスひっさびさに使ったぁ……頭痛い……」

「ただいま〜。あれ、どうしたザビ子、玄関先にへたり込んで……」

「……ウェイバー……お帰り……」

「うわっ、ザビ子オマエ、顔色オモシロい事になってるぞ!?
顔上半分が真っ青で、下半分が真っ赤ってどうしたんだよ!」

「いや、ウェイバーに朗報持って行こうとしたらウェイバー出掛けてて部屋には裸の王様が胡座かきながらアドミラブル大戦略やってた……」

「っな!!?? あ、アイツまた素っ裸で実体化してたのか!?」

「真っ裸も真っ裸だよぅ……マケドニアの人ってみィんなあぁなのかな……」

「それは多分、アイツだけだと思うけどな。……魔力を無駄に喰うから止めろっていっつも言ってるのに……!!」

「う、ウェイバー? 顔、怖いよ……? ス、スマ〜イル?」

「ザビ子、オマエもとりあえずボクの部屋に来い」

「なぇ……な、なんでさ?」

「オマエが居なくちゃ出来ない話をするからだ、つべこべ言わずさっさと来い!」

「うわっちょ、腕を無理な体勢で引っ張んないでよ転ぶぅぅぅぅ!?」





◇ ◇ ◇






「おいライダー! また実体化して煎餅バリバリ食い散らかしてんのオマエは!」

「むお? おぉ、坊主か。良く帰ってきた、して脚半の方はどうした!?」

「ちゃんと買ってきてやったぞ、無駄な魔力喰うからボクは止めて欲しいんだけどな」

「それはいかんぞ坊主、ちゃあんと約束したではないか! サーヴァントとしてキャスターめの工房を見つけた暁には、余にズボンを穿かせると誓ったであろう!
今更契約破棄とは、貴様余の覇道の邪魔立てをするつもりか?」

「全く違うよバカ!! オマエ、ザビ子が居るのに下なんも穿いてない状態で対応するなよ!!」

「む? そういえば先程からザビ子よ、坊主の背後に隠れるようにおるが、残念ながら坊主の背丈がちみっこ過ぎて隠れておらぬぞ」

「なっ、バっ、おま────……!!??」

「お、王様それはあんまりですよ!? いくら私とウェイバーの身長差が5インチあるとしてもそこは黙っておいて欲しいです!」

「いやいやぁザビ子、お主のその物言いにも坊主には堪えたみたいであるぞ」

「え? …………うわあ!! ご、ごめ……あの違くてウェイバーこれはあのその……っ!?」

「がっはっはっは、こりゃザビ子の独り相撲だの!」

「ウ、ウェイバー……その……ごめん、ね?」

「良いよ別に謝らなくても。ボクがザビ子より背が低いのは確かな事だし、色々頼りないのも事実だよ」

「ほう? 坊主にしちゃ殊勝な態度だの、なにか悪いもんでも食べたか?」

「ウェイバーどうしたの? 具合悪い、熱でもある?」

「ボクは至って健康だよ、ただ、事実を述べたまでだろ」

「それが心配する要素なんだけど! ねえウェイバー、本当に大丈夫……?」

「ライダー、オマエ略奪は男の本懐だとか生き様だとか言ってたよな」

「ほお? そうだとも、略奪こそ我が身命、我が宿命よ。
勝利してなお滅ぼさぬ。制覇してなお辱めぬ。それこそが真の“征服”である!」

「そうかよ。なら、ボクからザビ子を略奪してみろってんだ────────!!」

「ウェイバー? え、どうし────っぶ!?」

「ほほお……坊主にしちゃまた大胆な行動だの」

「ちょっ、ウェイバー!? い、いきなりキスするとか、然も王様の目の前でとか……!!??」

「この通り、ボクとザビ子はラブラブだ。奪い取れるもんなら奪い取ってみろよ」

「その挑戦や良し、征服王イスカンダルの名にかけてザビ子を坊主から略奪してやろう! がっはっはっは!!」

「わ、笑い事じゃないですよ王様、マジで止めて下さいよ洒落にならないよウェイバー!!」

「ボクはいつだって本気だぞ。それともなにかザビ子、オマエ、ライダーに奪われるって言うのかよ」

「バカ、そんな事ないじゃん!! けどいまはそんな話じゃないのに!!」

「待っておれよザビ子、このイスカンダルがお主を奪い去ってやるわい、がっはっはっは!」

「あーもー、私を置いて話を進めないで下さいよォォオォオオ!!!!」

































朗報伝えず終い。

全サーヴァントの真名が分かったっていうのに……!
なんて低レベルな争いをしているんでしょうか……。
















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あきゅろす。
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