星屑の煌めき




(復活/骸)変わらずの花




「ザビ子お早う御座います突然ですが今日は何の日だか御存知ですか」

「…………おはよ……朝からうっさい骸…………静かにしてよまだ九時半じゃねーか」

「全うな人間は既に起床し活動している時間じゃないですか」

「バカやろう、あと十時間は寝かせろ、オレ……じゃない、私、昨日寝るの遅かったんだぞ」

「世の中には仕事の接待で明け方まで飲み明けて足元はフラフラ、足取り覚束あしどりおぼつかない状態でも、それでも仕事へ向かうリーマンがいるんですよ。
それを貴女はなんですか、夜遅くまでネットをしていて寝不足とは……学生は学校へ行ってちゃんと授業を受けてる時間ですよ」

「うっさいにゃあ、あんた私のオカンか…………わァったよ起きりゃいんだろ起きりゃあよ……。
っふわぁあああ……眠ぃ……千種、コーヒー」

「残念ながらあの二人は先に学校へ向かいました」

「あぁ? んだと……私は朝千種のコーヒーがないと起きれないんだぞ」

「だろうと思い、あらかじめ千種に作らせておきました。ほら、これです」

「流石千種、それでこそ私の嫁だ。ってか学校行かなくていいのか、骸」

「僕はいいんですよ。今日は特別ですから」

「はぁ? あんた人に説教たれといて自分は学生の義務を果たさないのかよ。
大した雄弁家だよお前、マフィア撲滅よか政治家かなんかになった方が向いてるかもよ」

「クフフ、僕は目立つのは苦手でしてねえ……表立って弁を弄するより、裏で活動する方が好きなんですよ」

「そう? そんなんには見えないんだけど、ま、どーでもいい。
千種のコーヒーを飲んで、ガッコ向かうとしますかね〜っと」

「それの前に────ザビ子、今日が何の日か御存知ですか」

「今日ぉ〜…………ん────────6月9日。
1184年、元暦校本[万葉集]完成。
1858年、清仏天津条約に調印中国は半植民地国家に転落。
1898年、香港が英国の植民地に。
1905年、米国のルーズベルト大統領、講和を勧告。
1923年、有島武郎が軽井沢の別荘浄月庵で心中。
1934年、ドナルドダ○ク初登場、人気キャラクターになる。
1954年、防衛庁設置法、自衛隊法が公布。
1957年、東京の小河内ダム放流開始奥多摩湖は新しい観光地になる。
1991年、フィリピンのピナツボ火山大爆発。
1993年、皇太子、雅子さんと結婚。
2002年、サッカーW杯予戦リーグで日本代表初勝利。
────ざっと言ってこんなもんかな」

「え、マジですか、いやそうなんでしょうけど違いますよ、っていうかあなた意外に博識ですね!!??」

「因みに、誕生花は京鹿子キョウガノコ、花言葉は無益。
綺麗な花なんだよ〜、ピンクに近いバイオレット色でね、可愛い花よぜ」

「いやザビ子は色々と博識ですが、色々と残念なぐらいがっかりですね」

「ロックの日とか言われてるけど、完全にシックスナ────……」

「────ストップ。これ以上は言わせませんよ」

「むう。私の唇に骸の人差し指で物理的にストップかけられた〜。
最後まで言わせてくれよ、コレが言いたいが為に色々と知識を収集してたのにぃ。
ん……? これって意外と乙女の憧れシチュじゃねーのか?」

「とにかく。ザビ子は今日が何の日か御存知でないんですか」

「だから、1184年……」

「もうそれは良いです…………ハァ……分かって、ないんですね?」

「うっ…………あんたの言わんとするモノはおおよそ予想がつくんだが……素直に口にするのは少々憚られる……私の性格上少々捻くれているからソレに所以がある。
今日はさ、骸の誕生日でしょう────誕生日おめでとうさん、骸」

「ザビ子…………ツンが長すぎですよ」

「うるせぇ誰がツンデレかはっ倒すぞ殺したろかコノヤロー」

「ザビ子はツンツンツンツンツンデレですよね、もっとデレてくれても構わないんですよ」

「うるっせぇなコイツ…………そうだった。あんたに渡したいもんがあったんだった。
────────骸、ちょっと一緒に来てみ」

「え? 構いませんがどこへ向かうんですか……?」

「あはははっ、着いてからのお楽しみだー」





◇ ◇ ◇






「ザビ子、どこまで行くんですか?」

「ン〜? そうだな、もういいか。教えてやろう。
はい到着、私の部屋でーす。
因みに、変な気ぃ起こしたら────潰すから」

「え、話が飛びすぎてて着いてけないんですけど」

「今日はァ、骸の誕生日なので私からの素晴らしい誕生日プレゼントを贈呈!
このザビ子ちゃんお手製特大ケーキと、骸のお願いを一個だけなんでも叶えたげる券を授けよう」

「は? いやだからあの話の流れが良く分からないし読めないんですが」

「なんなら、憑依の傷付けていいぞ」

「え、マジですかやった────じゃなくて!!
え、ちょ、一回落ち着かせて下さい……」

「落ち着くもなにも。ケーキあげるよってのと、ワガママ叶えたげる券をあげるよってだけだが?
超単純明快じゃん、つー訳でワガママ聞いたげるよ」

「…………あまりの事に着いてけないんですけど、ザビ子のアレさ加減は今に始まった事じゃありませんし、僕だって少しは慣れました……。
こほん、では有り難くケーキは貰い受けます有り難う御座います」

「因みに私単独の手作りだから心して食えよ……………死ぬな、骸」

「不吉な事を誕生日に囁かないで欲しいんですけどなんですかこれ新手の嫌がらせですか好意と思わせて実は悪意満載の嫌がらせですか終いには泣きますよ」

「まあまあ。泣くのは後でも出来るっしょ。
今はそんなのに時間割くより他のモノに時間を割け、ワガママはひとつだけだぞ」

「ふむ…………これは困りましたね。ザビ子、どんな我が儘でも聞いてくれるんですか?」

「応さね。それで可能である限りの範囲ならばそれを聞き入れて叶えてやるぞ。
一個だけだかんな、あんた欲深いから願い事を増やすってのはナシだから」

「分かりました。ではザビ子────貴女の将来を僕に下さい」

「ふむ…………どの辺りまで?」

「願わくば、共に老いさらばえるまで」

「…………ッハ、面白そうだ。よいぞ、特別に許そう。
私の未来を、あんたにやる。
私の人生を、あんたに捧げてやる。
私の将来は、あんたに任せる。
その代わり、あんたの死後は私にくれ」

「クフフ、まるで永遠の愛を誓う花嫁のような口振りですねザビ子。
ではここに、誓いを────────ザビ子という存在の全て余す所なく僕のモノであると、誓いますか?」

「上等だ、誓ってやるよ。私はあんたのモノだ。
逆に骸、あんたは私の所有物だ。勝手に傷付く事勝手に死ぬ事勝手に消える事、一切を禁ずる。
あんたの髪の毛一本からあんたを形作る塩素柱一本に至るまで全て私の支配下にある、それを承知するか?」

「誓いましょう……契約は交わされた。破棄する事はそれ即ち死を意味する。
愛していますよザビ子、貴女の全てを、踏み躙りたくなるほど強く愛しています」

「あはは、これまた痛い愛だな、やだな私痛いのやだし。
でもその分あんたを蹂躙してもいいんだもんね、安いもんだよ、あははは」

「では。ケーキでもいただきましょうかね、実は僕お腹が空いてるんです」

「それ食った後トイレとランデヴーしないといいな、頑張って骸の内臓とか☆」

「止めて下さい凄く不吉なんで止めて頂けませんか」














































その愛は真実として。

────さぁさぁ皆様お立ち会い!
二方の支配欲から成る愛抗 え な い 殺 人 衝 動は抑えきれると思えましょうか?
答えは断じて否に御座います、愛してないが故に愛しくて壊せるので御座いますれば!!


6/9 骸ハピバ!!














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あきゅろす。
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