星屑の煌めき
(ボカロ/青)音色的科学反応
「ぐあぁぁぁあ、ただいま!」
「……お帰りなさい、マスター。凄まじい雄叫びですね」
「今帰ったよ、君のマスターである私が課題を引っ提げて帰ってきたよコンチクショー」
「大変そうですねマスター、そろそろ中間テストですか?」
「私もう勉強は放棄した! とりあえず課題だけを片す!
卒業したいから単位稼ぎしなきゃ……だったら勉強も頑張れよって話なんだがな!」
「あははは……とりあえず、紅茶でも飲んで落ち着いて下さい」
「ん、さんきゅーう。────ほう、美味〜い……カイトまた腕あげたな、美味しいよ」
「マスターに喜んでいただいて、幸いです。あ、ご飯があと五分ぐらいしたら炊き上がりますんで、その間に着替えて下さいね」
「分かった。じゃあ部屋でレポート書いてるから、ご飯支度出来たら呼んでー」
◇ ◇ ◇
「マスター、ご飯出来ましたよ〜!」
「おーう、今行くわ〜。
────────おぉ、今日の夕飯は和食で、メインに天ぷらかぁ。えび天えび天〜!」
「今日は野菜類が安かったんで、天ぷらをメインに置いて、余った野菜で付け合わせを作りました」
「あげっ、椎茸の天ぷら……私椎茸嫌いって言ってるじゃないか、なのに入れるとかカイト鬼畜になったな!
マスターである私の命を忘れたか、この爽やか笑顔鬼畜、腹黒め!」
「好き嫌いは駄目ですよマスター、ちゃんと食べて下さいね。俺だってマスターの健康を思って作ってるんですから。
避けないでちゃんと食べて下さい、マスターの為なら鬼にもなりますよ」
「ぐぬぬぬ、菌類はマッシュルームしか食べられない私への挑戦状とみた!
私は絶対に椎茸を食べない、いかにも菌類食べてますよっていうその風味が嫌でござる!」
「ほらッ、マスター我が儘言わないで下さい!」
「我が儘じゃないしそれは毒なんだ、毒茸なんだ食べたら百年の眠りに就くとかそんなんなんだ!!
あの独特の臭みは誰しもが共感する、敢えて言おう毒であると!」
「確かにそうですけど……臭いが気になるのは干し椎茸の方なんですよ、これは生なんで気にならない筈です!!
ほら、マスター口を開けて下さい、食べられるんですよ、毒じゃないです!」
「ぐー、要らない。私は好きなものだけを食べ……」
「隙有りです」
「はぶぅぅぅう!!??」
「毒じゃないんですからそのまま咀嚼して飲み込んで下さい。下拵えもしたんで一応臭みは取れたと思うんですけど」
「んむんむんむんむ………っふご」
「……あの…………どう、ですか……?」
「不味くは、ない…………普通に食べられる……うむ、やっぱカイトの腕がいいからかな」
「良かった────────マスターが美味しいって言ってくれるのがなにより嬉しいですっ!」
「…………っ!! そ、んな嬉しそうな顔で私を見るなよぉ……がわいぃ……」
「マスター、まだまだ椎茸ありますから沢山食べて下さいね!
好き嫌いなんて俺が居る内は許しませんからね、ほらほら口を開けて下さい、ザビ子さん」
「っ、名前呼びは狡い……仕方ない。カイトくんが食べさせてくれるっていうなら、全部食べられる、気がする」
「あはは、マスター顔真っ赤ですよ〜」
「うっさい。それと……カイトが私の事名前で呼んで食べさせてくれたら、他の嫌いな食材も食べるかも〜」
「っ! …………はい、分かりました、ザビ子さん」
「よし来い、あーんだ!」
「はい、あーん。────相変わらず、色気のない方ですねぇザビ子さんは……でもそこが可愛いんですけどね」
「よし、次はお浸しに挑戦だ!」
「ハァ……食べながら話そうとしないで下さい。お行儀悪いですよ、マス……ザビ子さん」
二人で奏でる音色は協和音。
全く、困ったマスターですよあなたって人は。
そんな可愛いコト、俺以外の男の前で言っちゃ駄目です。
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