星屑の煌めき
(復活/黒曜)オーラスを飾るのは
「お腹空いた……! 切に腹減った、誰か、誰か私に人間が食べられる範疇のモノを恵んでくれコノヤロー」
「……なにしてんのザビ子。くたばりかけたゾンビごっこなら犬とやって」
「誰もそんなマニアックな遊びなんかしてねーよ柿本くん、腹減って動けません、なにか私に人間が食べられる範疇のモノを」
「…………。はい」
「わぁい有り難う、ってなんで氷砂糖、然も袋未開封!?」
「……かりん漬けるのに、買ってきた」
「ああ、隣の敷地に生ってたよね、この前みんなでこっそり回収したっけ……じゃなくて、調理されたモノを食べたいのだよ柿本くん、まあでも貰うけど」
「結局貰うんかびょん」
「あ、犬。…………すんすん、なんかフルーティな良き香りがユーから漂う…」
「麻薬探知犬みれーな嗅覚らなおめー、今ガム買っれきたんら、ザビ子も食うびょん?」
「有り難う犬愛してる!! あ、バブリシ○スのブドウ味、私これ好きなんだよねぇ……くれ」
「一個らけな。ほら、手ぇ出せ」
「ケチケチすんない、お前のものは俺のもの、俺のものは皆のものだ!」
「……なにその中途半端なジ○イアニズム。」
「とりあえず、二つぐらい寄越せ。犬おめ昨日私のケーキ食ったろ」
「げえ! な、なんれそれを知っれんらザビ子!
バレない様にちゃんろ全部食っらのに!」
「……馬鹿?」
「おめーが全部食ったんかいぃぃぃぃぃぃ!!!! つぅ事は……やべ私骸を昨日ボッコボコにしちまったぜジョニー」
「……だからか。今日はやけに大人しいと思った」
「しょうがない。骸には後で詫び……いや図に乗って要らん事口走るだろうから詫びは入れない方針で。
というわけでガム寄越せガム、まだ死にたくないだろ」
「……なんでガム一つで死刑宣告。っていうのもめんどい」
「ギャー、柿ピー助けろびょん!! ザビ子のこの目本気らびょん、本気でガム如きで俺の事殺す気らびょん!」
「大人しくソレを私に寄越しなさい、まだヒトでありたいだろう犬!」
「……ハァ、めんどい。けどこの騒ぎがずっと続く方がもっとめんどいか。
……仕方ない、犬、今の今だけ助けるよ………ザビ子、はいあーん」
「え、あーん────────っむぐ。…………あ、いちご飴だ。んまい」
「……美味しい?」
「んまい!」
「……そ。なら大人しくしてて、もう少ししたらご飯作るし」
「ふぁい。んまんま飴ちゃんうまし、んふふ、柿本くんがくれた飴ちゃん飴ちゃん!」
「…………はあ、とりあえず助かっらびょん柿ピー、さんきゅう。
腹を空かした猛獣は手に負えねーびょん」
「……別に。どんな猛獣でもちゃんと躾ればこっちの言う事は従う。……気長に調教すれば手なずけられる」
「おぉ、柿ピーがさらっと真っ黒いセリフを言っらびょん……こっえ」
「♪うまうまいえー、うまうまいえー」
「……その証拠にホラ、あのザビ子が大人しく座ってご飯を待ってる……一昔前に流行った懐かしい歌を口ずさみながら……」
「うっは、ザビ子は俺よか動物的本能が強ェかんな、ギャハハハ!」
「……犬。お前も人の事、言えた義理じゃない……なんかもう言うのもめんどい」
終幕は未だ来ず。(ずっと来なくって良いよ!)
「でもやっぱガムも欲しー」
「あ。もーガム全部食べらびょん、今口ん中に入ってる奴れ最後びょん」
「なんだと!? 寄越せそのガム!!」
「はむぅ!? っ……、だは、ちょ、いきなりなにすんらびょんザビ子! 俺の最後のガム、無理に強奪すんら!」
「犬が今食べてんのが最後っつったし、直接奪った方が早いと思ったのよママン、無表情怖いよだからそんな怒んないでマ……ごめ、柿本くん」
「……別に怒ってない。不衛生だから次からは俺以外の奴にしたらダメだからなザビ子……分かった?」
「分かったよママン。でもアレ、意外と犬の唇て、しっとりとして柔らかくて仄かに甘いのね……ちょっとびっくりした、負けた」
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