星屑の煌めき




(ラブレボ/若月)予感と直感




「うぅ……本格的にお腹減ってきたわ……若月先生いますか〜?」

「あぁ? んだよお前か桜川……入る時はノックしろっつってんだろ」

「しましたよ、ちゃんとノックを二回ほど。そんな事よりお腹空いて倒れそうです、なにか食べ物恵んで下さいぃ……」

「それが目当てで来てる癖によく言うぜ。ほらよ、昨日部活で作ったクッキーだ。それ受け取ったらさっさと教室戻れ」

「わあ、有難う御座います若月先生っ! それじゃ失礼しまーっす!」

「ったく……煩ェったらねーなアイツ…………ホラ、もう出てきて良いぞザビ子」

「────────危ない所だったね若月先生、急に来訪者がくるなんて焦った焦った」

「嘘吐け。アイツが扉開ける前から桜川が来るってオレに告げた癖によ」

「いっそバラしちゃえば楽になるのに……そーだよ、私が卒業するまであと一年ないし、丁度いいじゃない。
生徒と教師が恋仲になるなんて、今時珍しくもないしー?」

「アホ、んな事してみろ、オレ様の首が飛ぶ。まだ教師でありてぇんだよオレ様も」

「若月先生はみょ〜な所で真面目で困ったものです。生徒わたしに手ぇ出したく・せ・にっ♪」

「なんだぁ、今日はやけにつっかかってきやがるなザビ子……そんなにオレ様にオシオキされたいのか?」

「若月先生、職権乱用ですよー。ここが保健室ってのを逆手に取らないで下さいよー。
あと私これでも具合悪いんですから無茶させようとしないで下さいよー」

「────先刻から気になってたが、それなんだ…その『若月先生』っての。
萎えるから二人ん時はやめろって言っただろ……?」

「んぅっ……、なんとなく、言ってみただけ……深い意味、なんて……ない……っはァう」

「今日はホントにらしくねぇなザビ子、やけに弱気というかネガティブな事しか言わねぇな。
何か悩み事でもあんのか、あるんなら相談に乗るぞ」

「ふんん、っ、はぁ……それを人にキスしながら言うかな普通……あと私これでも病人だから、具合悪いんだってば……!」

「固ぇ事言うなよ、オレとお前のただならぬ仲だろ。
名前、呼べよ……そしたらお前を病人扱いしてやる」

「ちょっ、先生マジでやめてってば……!
此処まがりなりにも学校だからね聖なる学び舎だからね破廉恥な事は私正直どうかと思うよ先生!?」

「ほらまたそうやって。呼べよザビ子、オレの名前。言えんだろ?」

「ッぅあ…………! ちょっ、真面目にそれ以上はストップやめやめ────龍、太郎……っ!!」

「言えるじゃねぇか……今日は強情だったから最後まで言わねぇと思ったのによ、残念だなザビ子?」

「最後までってなに、いやなんとなく分かるけど、セクハラだから、私に殴られても文句言わないでねマジで!
もう、ネクタイ返してよ……一応私、午後から授業出る予定だから変なトコに痕なんかつけないでね……。
龍太郎ったらいっつもギリギリの所につけるから大変なんだからねー、アトピーだよ〜って言うのも辛くなってきたんだからね」

「オレ様のつけたソレに赤面してどうやって隠そうか悩んでるザビ子が面白くて、これがなかなかどうして止められない……くっくっく」

「ホント、いい性格してるよね龍太郎……それよりさ、先生。
さっきの────サクラガワさんって娘、最近頻繁に保健室に来るね」

「ん? ああ、それはアレだろ。オレ様がアイツのダイエットのサポートしてるからだろうな。
あと兵糧を奪いに来る、お前の分の菓子も盗られてく」

「……へえ。そうなんだ。優しいね龍太郎は………

「ん? 何て言った…最後の方聞こえねぇよ」

「ねえ龍太郎────今日はこのままココで最後まで……駄目?」

「………どうしたザビ子、いつものお前らしくねぇぞ。
いつもだったら先刻みたくグダグダ言いやがるのによぉ。
まあオレ様はどこでも構わねぇけどな。そこにザビ子さえいればどこでも」

「今度はちゃんと、鍵閉めて……カーテンも」

「わァってる…んな初歩的な凡ミスはしねぇ、安心しておけ」

「うん。………やっぱ今日はこのまま午後はサボろう」
































































時間が私を置いて行く。

先生はきっと、あの娘の元へ行ってしまうのでしょう?















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